パチプロへの死刑宣告

今週の土曜日は出勤日なので遊技機会がありません。従って今日は、最近ずっと思ってたことを書いてみようかと思います。今年は元旦から恐ろしい1年になると宣言しましたが予想は当たりつつあります。2017年はパチンコ業界にとってターニングポイント。後から振り返れば、今年起こった出来事はこれからも語り継がれることになるでしょう。

 

4月23日の投稿で指摘した通り、今年は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で、この中の施行規則第8条「著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機」の内容が変更になります。変更に関する内容は、公式に発表されてませんけど、これまでの経緯を考えれば概要は何となく想像がつきます。出玉性能を抑えることと、釘調整できなくすること。釘調整の有り無しは本来の目的ではないのですが、それを認めてしまうと、「お前らは絶対俺達の言うことをきかんやろ」。てなことになるので警察当局としましては、これを認めないということが予想されます。そうすると規則変更の柱は次の通りです。

 

(1)10時間発射したときに獲得できる出玉はアウト玉の1.5倍まで
(2)遊技釘及び風車釘の調整は禁止する。
(3)設定の導入。


(1)は現行では2倍までとなっていますが、パチスロの現行規則では得られるコインはIN枚数×1.5倍までと決まっています。パチスロが1.5倍なのに何でパチンコが2倍なんやねん。ずっと以前からこのことは指摘されています。ここで注意すべきことは2倍から1.5倍になった時、客の利益は3/4ではなくて1/2になるということです。現行の規則において、10時間ではアウト玉が6万個なのでセーフ玉が12万個のとき、客の儲けは6万個で
すが、規制後は、アウト6万個に対してセーフは9万個になるので、客の儲けは3万個。つまり客が儲ける金額は半分になるということです。数字のトリックにご注意願います。


規制前は上限6万個の儲け   
規制後は上限3万個の儲け   

 

今回の規則改正は、のめりこみ対策という目的があるので、出玉性能の大幅減は仕方ないかと思ってたのですが、(2)の釘調整禁止と(3)の設定導入は非常に痛いです。カジノが導入されたとき、スロットルマシンとパチンコは遊技性能が違いますよと説明する為には釘調整が不可欠だと考えていたので、これが禁止されるとなるとパチンコの存在意義が問われます。設定が導入されてしまうと、パチンコはちょっとだけ使う金額が少ないパチスロということですね。パチンコの良さは消えてなくなります。だからといって釘調整ができないとなると、パチンコが遊技機であるためには、出玉性能の差別化は確率で処理するしか手がありません。   

 

これに伴い一番ダメージを受けるのが、パチプロと打ち子ということになるのでしょうか。パチプロはパチスロへ転身することになるはずです。打ち子は殆ど存在意義がない…というか打ち子は皆廃業するしかないですね。影響が甚大なのは彼ら専業者なのですが、然しながらパチンコ業界に激震が走ることになるであろう今回の規則改正は、パチンコに関わる全ての人達に影響があると思われます。

 


専業者のみならず、土日パチンカーに対しても厳しい御沙汰であることは間違いありません。私は今から25年前、ホールコンピュータが導入された時点で、将来釘調整できなくなる時代が来るのではないだろうかという仮説を立てました。何故そう思ったかというと、釘調整の仕方について大きな変化があったということと、釘調整ができない仕組みの「パチコン」というものが市場に出たからです。パチコンはヘソに該当する入賞口が固定穴で釘調整できない代わりに、出玉率の調整を確率で処理するマシンでした。穴が開いたプラスチックの役物がヘソの位置にあると考えればいいでしょう。最も有名な機械はGIGA(瑞穂製作所)で大当たり確率は1/220~1/390までの6段階設定。私はこの機械を見た時、これからはスタート勝ちだけではなくて確率勝ちするにはどうしたらいいだろうか?ということも考えねばならんと思ったのですね。これ以降パチンコ業界では不毛の議論とされている問題に疑問符をつけ、誰もやらないであろう検証を行って参りました。然しながらこのような検証は、ボーダーラインを超えるかその付近までは回るということが大前提でのお話です。私はこれを見直さなければなりません。
※パチコンとはコンピュータ制御によるパチンコみたいな遊技機のこと。

 

(1)スタ-ト勝ちではなくて確率勝ち
(2)スタート勝ちだけではなくて確率勝ち

意図的に(1)ではなくて(2)の表現を使ったことにご注目下さい。


これからまた1から作り直していかねばなりません。私自身が、パチンコからパチスロへと転身の道を進むのか?はたまた今までと同様に茨の道を突き進むのかについては、まだ結論が出ておりません。全ては今年の8月辺りに規則改正の全容が明らかになってからの話です。実際には、その内容をよく読んでから考え直すと思います。ですが今日お話した内容は、黒ではないというものの


限りなく黒に近いグレイ。

 

悪いことばかりではありません。良いこともあります。お金を使わない遊技機の開発が主たる目的ですから、現行の一撃マシンはみな排除され穏やかな環境に戻るでしょう。海しかまともな遊技機あらへんでといった特定の機種に偏重した遊技からの脱却が実現します。荒っぽい機械で暴利をむさぼることができなくなったパチンコホールの対応にも変化が現われるはずです。穏やかな世界に戻るということは、高い台粗利を稼ぐ機械がなくなるわけですから、4円パチンコの利益減少をどっかで見直さねばなりません。つまり1円パチンコで遊ばせておく余裕がなくなって来るということですね。規則改正が実施されれば、1円パチンコは徐々にパチンコホールが意図的に減少させていくことになると思います。そのうちなくなってしまうのではないでしょうか?これは1パチがなくなって困るじゃんというのではなくて、1パチユーザーが4円に戻って来ても遊べるような環境になっているということですね。


1パチユーザーには朗報。4円パチンコで遊技する時代に戻れます。


そういうわけで全てが悪いとは言いませんが、パチンコ本来の遊技性や娯楽性は、玉が穴に入るか入らんかという醍醐味であって、これは入賞口に至るまでの誘導釘の調整により発生するものです。それが消滅するという事はパチンコというものが消滅したに等しい位の衝撃的な出来事です。当然ながら、規則改正以後はハネ物を作ることも禁止されるし、天下一閃みたいな台を作ることも禁止されるということ。パチンコは本当につまらなくなってしまいますね。東京オリンピックを控えているので、それまでにカジノができると思います。そうした事態に備えて警察はカジノとパチンコの違いを主張していくことが重要だと思ってたので、釘調整は認めるべきだという意見が出てこないかなと思ってました。パチンコが存続しないと警察の利権もなくなってしまうので、最後の最後で「残した方が得だ」という損得勘定並びに識者による大人の判断が働いて欲しかったですね。此度の規則改正は、パチプロに対する死刑宣告ですと申し上げておきますが、実はこの表現は誰かに対する八つ当たり的な意味が含まれており、本当は私自身が一番落ち込んでいるのです。

 


この話題は正直、被るなあとは思ったんですけど。

被っても書くべきだと思ったので、自分なりの見解として世の中に残しておきます。


これからのパチンコはイメージとしてはパチコンみたいになるのでしょうか?本当に困ったものです。

 

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