打撃理論

松井大谷

7月6日現在での数字ですが、大谷選手がメジャーに渡って打者として丁度500打数を数えました。そこで私は松井選手のキャリア実績と大谷選手のそれとを比較してみましたが、大谷選手の打撃成績の素晴らしさには目を見張るものがありますね。一目瞭然なのが本塁打率で、松井は25.1打数に1本の割合なのに対して、大谷は14.7打数に1本の割合なので極端に言えば2倍近く打ってることにります。野球で打者の成績を示す代表的な数字は打率ですが、これは安打÷打数のこと。これに対してホームランバッターに求められる数字は長打率と呼ばれますがこれは塁打÷打数のことです。塁打とは、(単打×1)+(2塁打×2)+(3塁打×3)+(本塁打×4)のことです。日本ではホームランバッターの長打率は10割を超えることもありますが、メジャーではそこまでの数字はでませんね。メジャーで長打率が6割を超えたら超一流の証。マニー・ラミレスやアレックス・ロドリゲス、プホルス辺りでようやく6割を超えるといった感じです。従って大谷の.566というのは驚異的な数字であります。まあ松井と大谷の数字を比較すると、大谷は三振の数がめっちゃ多い。三振率は大谷が..298で松井が.153なので、松井がチームバッティングに徹していたということは良く分かるし、そのため本塁打が減ったのは事実でしょう。大谷は自由に打席に立ててることが本塁打量産につながっていると思います。        
        
        
大谷        
514打数151安打        
35本塁打、打点97、打率.294        
        
        
万が一、今の状態をキープできて三振率が松井並みに低くなれば、大谷はトリプルクラウンを狙えるかもしれないという可能性を感じてしまいます。なんせメジャーは162試合で全試合出場すれば35本塁打×1.3倍くらいになるわけですから。去年のこの9月にも大谷と松井の比較はしましたが、その時の説明では不十分でなかったのかと思いがありました。そのことがずっと気になっていたのです。そんなことどうでもええって????まあそういわずに私の打撃理論をちょっとばかり聞いてくださいよ。私が思うに日本を代表する長距離砲は次の6人です。        
        
王貞治(左、セ)        
松井秀喜(左、セ)        
田淵幸一(右、セ)        
野村克也(右、パ)        
門田博光(左、パ)        
長池徳二(右、パ)        
        
        
王と松井には共通点がありますが、ホームラン打者としては断然王が上です。この人たちは常日頃から警戒されているため、滅多に甘いボールはきません。それでもたまに来る失投を待って、ただひたすら真ん中付近に失投を待ち続けるのです。そして滅多に来るはずがない甘い球が来たときにに、確実にライトスタンドまで運ぶことが王や松井に課せられた義務でした。松井は初球の甘い球を見送ることが割とありましたが、王貞治は違いましたね。キャッチャーが「あっ」と言った瞬間ライトスタンドですから。投手が投げそこなった甘いボールは、ほぼ確実にホームランできるのが王の特徴だったし、この点では世界でもトップクラスの精度だったと思います。日本人の中では王がナンバーワンでしょうね。        
        
        
打球の角度という点では、田淵と野村には共通点がありました。王や松井はライナー性の打球が多かったのに対して、田淵と野村は45度のきれいな放物線を描く飛球が多かったです。野村の本拠地である大阪球場は両翼が狭くて本塁打が出やすいのですが、その代わりにフェンスが高いことこの上ない構造でした。分かりやすくいうとフェンウェイパークみたいなもんですよ(全然分かり易くない)。レフト側にそびえ立つグリーンモンスター。この球場の構造を生かしてかどうかは知りませんが、野村の放つ打球はレフト方向に高々と舞い上がり、軽々とスタンドまで届いたのでした。田淵が全盛期の甲子園球場は巨人ファンにとっては鬼門です。もう勘弁していただきたいというのが本音で、田淵が打席に入ると頼むからストライクゾーンには投げないでくれと願うばかり。この頃の甲子園はラッキーゾーンというのがあって今よりもかなり狭いしフェンスも低いのです。かてて加えて夏場の甲子園は、常にレフト方向に追い風が吹いてます。田淵が放った放物線は平凡なレフトフライだにゃあと思った打球が伸びて伸びてグングン伸びる。これが悉くラッキーゾーンに入るから始末が悪い。田淵が打席に入ったときの緊張感は今でも忘れられません。        
        
        
野村克也の弟子みたいな存在だったのが南海の門田博光。3番門田、4番野村のコンビはパ・リーグの雄。門田の場合は、35歳をすぎた頃にボールをバットに乗せるというコツを掴んだようでして、40歳くらいまで本塁打をガンガンぶち飛ばしておりました。門田と同じ時代にパ・リーグを彩ったのが阪急の4番長池徳二。こちらは門田とは対照的に若くして長距離砲の才能を開花させた人ですが、ここまで引っ張るということに固執した人は滅多におりません。ピッチャーが投げたコースに関係なく長池が捕らえた打球は常にレフト線ギリギリ。ですが常にホームラン性の打球を放つものですから、見ているほうはフェアかファールかでドッキドキ。阪急の黄金時代を築いた稀代のプルヒッターでした。        
        
        
        
この6人には共通点があります。全員プルヒッターなのです。        
        
        
        


何故ホームランバッターにプルヒッターが多いかというと、日本の野球環境では外側にきた球でも多少甘く入れば本塁打にできてしまえる。ホームランを打ち易いということがあると思います。日本の野球は        


(1)ボールが小さい        
(2)ボールが良く飛ぶ        
(3)球場が狭い        
(4)外角のストライクゾーンに厳しい        
  

 

投手の投げた球を捕える処理の仕方としては、前でさばく打ち方と引っ張り込んで捕手寄りで捕える打ち方があると思いますが、日本の野球では前でさばくというのが基本的なスタイルと思います。何故前でさばいた方が本塁打が出易いかというと、スイングが出始めのところで捕えると衝突した時のバットスイングスピードが遅いんです。ところが前でさばくとスイングのスピードが一番速いところで衝突するからボールが遠くへ飛んでいくわけです。だからプルヒッターになってしまいます。(引っ張り専門)。やや振り遅れ気味になると、たとえバットの芯で捕えたとしてもピッチャーの球威に押されてしまうので打球が遠くへ飛んでいきません。だから上述した6人はみんな前でさばく打ち方をするようになり、その形で打撃スタイルを完成させてしまうのです。王や松井が放つ本塁打は殆どがライト方向でした。真ん中からインコース寄りに来た球を引っ張ってホームランにしましたが、極稀に外角一杯の球を捕らえてをレフト方向に大きな打球を飛ばすことがあったのです。然しながら王や松井が反対方向に打球を飛ばす時は、捕手寄りでボールを捕えているものですからスイングが出始めのところ。つまりスイングスピードが遅い時にバットとボールが当たるのでピッチャーの球威に押されるんですね。左中間にあわやホームランという大飛球がフェンス手前で野手にキャッチされるというシーンが何度もありました。  

 


これに対して大谷は、捕手寄りでボールを捕える打ち方をしてるのですが、彼がセンターの左から左中間方向に放った打球はフェンス手前で失速せずスタンドまで飛び込んでいきます。王、松井の反対方向の打球は失速するのに何故大谷の打球が失速しないかというと、ミートしたポイントは同じであっても、そのときのバットスイングが大谷のほうが遥かに速いからです。大谷はバットを構えた位置から捕手側まで弓を張り、テイクバックを大きくとります。スイングの出始めの位置が王や松井よりもかなり捕手寄りに位置しているため、引っ張りこんで捕らえたとしてもスイングのスピードが速いのです。従って投手の球威に押されずに反対方向に大きな打球が飛んでいきます。感覚的には、振り遅れた時はピッチャーの投げた球が大きな抵抗のように感じるけれど、前でさばいた時にバットの芯に当たると抵抗を殆ど感じない。ボールを遠くまで飛ばせるかどうかは、バットとボールが衝突した時のスイングスピードが凄く重要なわけです。従って日本の代表だといったこの6人は、皆メジャーに行くと駄目でしょうね。松井だけじゃなく、王も他の4人も全て同様に日本のときよりもホームラン数が半減して苦渋を舐めたと思います。つまり前でさばく打ち方はメジャーじゃ通用しないんです。

 

メジャーリーグでは  
(1)ボールが大きい  
(2)ボールの反発係数が小さい  
(3)球場が広い  
(4)外角のストライクゾーンが広い  

 

 


外のボールを引っ張り込んでスタンドまで運ぶのが難しいのです。外側のボールを反対方向にはじき返してホームランできるかどうかが成否の分かれ目です。言葉で言うのは簡単なんですがね、捕手寄りでボールを捕らえるという技術は凄く難しいんですよ。バッターというのは常にピッチャーの目と手の動きを見ておりまして、普通に構えた状態なら自然と目線はピッチャーの方に向いてるんです。ところがそこからピンと弓を張ってバットを捕手寄りの位置まで動かすと、打者の目線は三塁手の方向に向いてしまうわけです。体の軸はサードの方を向いているのに目はピッチャーの方に向けなきゃいけないからシンドイのですよ。楽に構えて楽にバットを振るとしたら構えた位置からそのままバットを振り出すことになります。バッティングで一番大事なことは、ピッチャーの構えをよく見ること、見やすいような姿勢を作ることですからね。従って構えてるときは体を開いてオープンスタンスで、ピッチャーがボールを投げるときにスクエアに戻してバットを振るという人は結構います。このようなやり方が日本では通用するし、日本の野球に慣れた打者は前で裁くという打撃技術を磨いてしまいます。この打撃技術を完成させた打者がメジャーに渡ると大変苦労するわけです。

 

大谷はこのことを知ってたんではないでしょうか?

 

 

日本の野球に慣れたバッターがメジャーに行くと通用しないことを。かなり早い段階から、メジャーで活躍するのを夢見て打撃練習に取り組んでいた。栗山監督は、かなり頭の良い人ですから日本と米国の野球環境の違いを熟知しているはずなので、大谷に大リーグ養成ギブスを取り付けたということですか。彼は日本ではあまり打撃成績を残していないのですが、これが良かったんでしょうね。打者として10年位活躍すると、日本の野球に対応したスイングを身に付けるから向こうに行くと駄目だったように思います。

 


色々言ってきましたが、彼がここまでに成し遂げた功績はもっと評価されてもいいと思います。日本に在籍する野球評論家はちょっと冷たすぎる気がしますね。打者に専念すれば三冠王も夢ではないと思える逸材なので打者専任という意見もあると思いますが、私は二刀流をやって欲しいですね。三冠王を取るよりも二刀流で成果をおさめる方が価値が高い。それはやっぱりこの100年間で二刀流で成功した人は、ベーブルースしかいないし、そのルースでさえ二刀流でやれたのはたった2年間しかないのです。


ベーブ・ルース    
4年間は投手専任    
2年間は二刀流    
16年間は打者専任    

 


大谷選手のことを今まで何度も書いてきましたが、それだけの価値がある潜在能力です。100年に一人の逸材を今応援しておかないと後悔しますよ。パチンコには全く関係ないお話をどうもすみません。ここで書いている記事は無料で読める物なので気楽に書いております。万が一これでお金を頂くってことになったらこんなこと書けませんが、万が一にも私の文章能力ではそんなことにはならないから大丈夫????    

 

私見、偏見バリバリの打撃理論でした。でも所詮ライパチの打撃理論だけどね。

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