PROGRESS

私はいつも遊技日本の鈴木政博さんのコラムを読んでるんですけど、このお方の記事によると来年の4月からは管理遊技機の運用が始まるらしいですね。パチンコもパチスロもいよいよ新しい時代の幕開けなのかなあと思ってるのですが、このECOパチ、管理遊技機、循環式遊技機が議論され始めたのは、もう20年くらい前のこと。当時はまだ先の話と思ってたし、このシステムが完成する頃にはパチンコ業界がなくなってんじゃなかろうかってことで対岸の火事みたいに思っておりましたが対岸ではなくて火の粉がこっちに来たわけでですね。コインのないパチスロ、玉の出ないパチンコってことになると本当にネット麻雀してる麻雀打ちと変わらんような気がするんですけど、本当にここまで来ると遊技場まで足を運ばなイカンのかという感じです。パチスロは元々釘調整がないのでコインがいっぱい出てくる快感だけが損なわれるのかも知れませぬが、パチンコの場合は物理的条件面が大きく変化しそうなのでヤバイでしょうね。※あくまでも遊技日本に管理遊技機のことが紹介されていたので書いたまで。詳細は当方存じず事実関係の責任は持ちません。

 

 

(1)玉積みからパーソナル設備環境への変化

(2)設定付パチンコの登場

(3)賞球4個から⇒賞球1個時代への変化

(4)遊技釘のないスタート入賞口

 

パチンコでやっちゃあおしめえよと言われた上記4つのことを既にここ数年で成し遂げたわけですから、こっから管理遊技機の世界に至るのはさして難しくないような背景が作られておりますね。2000年代の初めならいきなり「管理遊技機」ってやると客は付いていけないし、稼動が極端に落ち込む可能性が高かったと思うけど、2021年レベルまで環境が悪化すればこの先もっと悪化しても、今と対して変わらんのだろうなと何となく思うわけです。つまり時代は、急激に変化するのではなく大きな変革を見据えて徐々に徐々に変わっていくのだろうなと思うわけです。目にはさやかに見えねども少しづつ客に不利な環境が整備されていく。外堀から埋まり始めたのがパーソナル元年だとするならば、あと少しで内堀まで埋まるからその時点でチェックメイト。

 

パチプロさんは苦労しますよ。

 

ってのが一般論だと思うけれど、私が一番懸念してるのは「補給メーカー」がこの先やっていけないと思うこと。竹屋、エース電研は企業としてやっていけないんじゃないかなって思うのは島設備そのものが必要なくなるから。玉が出ない、コインが出ないのであればそれら媒体を流通・循環させる設備も要らないわけでして、新規オープンする店ならば今の補給設備は必要ありません。

 

(1)還元機
(2)小箱
(3)補給レール
(4)アウト計数ボックス
(5)アウトレール
(6)アウトタンク
(7)ベースタンク
(8)ジェットカウンター
(9)島交流

(10)島柱(骨組)

 

青文字で書いた(7),(8),(9)はパーソナルシステムの登場によりまして既に崩壊しております。ベースタンクとかジェットカウンターは島設備の中でも非常に高価で利益率が高い商品ですからこれがなくなると島屋としては旨味がありません。更に問題は島交流。補給設備で一番難しいのが小箱内部の構造とそれに接続される島交流システムで、この設備に関してはメーカー毎に全て異なるっていう位補給メーカーにとっては生命線でした。小箱の内部構造が分からないから補給設備に手を出せない、参入できないメーカーが沢山あったわけです。従って島交流の良し悪しが島設備を購入するときの決め手になる事も有り得たので非常に重要であり、尚且つ補給設備メーカーとして腕の見せ所でもありました。こうした設備がほぼなくなってからは島設備の購入優先順位は品質よりも価格になっていったと思いますが、それに拍車をかけようかってのが管理遊技機の登場となります。ていうかもう(1)から(10)の中で骨組以外は何も要らない訳ですよ。こうなるともはや島設備ではなくて、単なる設置台です。

 

機械を置くだけの設置台があれば、どこでもパチンコホール営業ができる訳です。

※無論ホール営業に関する権利は別のお話です。

 

1000台クラスのパチンコホールなら島設備だけでも1億円?くらいかかっていたであろう経費がこれからは1/10程度で済みそうな感じなので、新規出店では格安の経費になるでしょう。骨組だけなら遊技機1000台分でも1000万円くらいでできそうだと思うんです。まあ金額的なことはそれ以外の設備次第で変化しますがどう考えても安くなりますよね?設備メーカーはその辺の未来予想ができてるとは思いますが、今まで通りの商いはできないと思うのでこれが一番大きく変わることであります。骨組と呼出ランプ、代表ランプがあればOK牧場。だけどランプ類は設備メーカーの商品ではなく部品メーカーからの供給(ダイコク電機、ダイイチ電機、日恵、UF産業)。

 


パチプロさんは、この辺の事情に関してはなったらなったまでの事。時代の変化に合わせていくだけだと考えてるかも知れませんが、今回の大きな変革だけはどう考えても「変化に対応する術はない」と思います。現金機がCRユニット搭載機に変わったときとは比物にならん位の変化なのでパチプロとか軍団がどうやって生き延びるんだろう?ってのは興味津々なのですが、わたくし個人としてもこれからのことは悲観的に考えざるをえないので難しい時代に突入するなってのが今思ってることです。

 

一方で遊技機単体のことを思えば明るい未来もあります。

 

裏パックは全メーカー共通らしいです。となると機械つくりは大きく変わってくるわけで、これに関しては遊技機の価格を下げる力学が働くのは当然だし、業界としてもウェルカムなこと。表だけを入替えることで「新台入替」がすむのならこんなに簡単なことはないし、機械の価格も格段に安くなるでしょう。っていう事は利益をもたらすのは、パチンコホールだけってことになりそうな気配ですが、事はそんなに甘くはなくて売上が筒抜けになってしまうのを嫌がるお店が続出するのは目に見えてるので「脱税」という点ではNG。これが最後まですったもんだしそうで、この辺の事情はどうなるのか私にはさっぱり分かりませぬが、一旦導入に踏み切れば

 

時代は加速度をつけて変るような感じです。

 

 

現金機がCR機に変わるときでも、そんなにすぐには切り替わらないだろうと思ってたのが、いざふたを開けてみるとあっという間に現金機は廃れてCRだけの世界になりました。今回も導入が始まれば一気にそっちの世界に染まりそうな感じがするのは、やっぱり設備費用が大幅に削減されそうだから。これに目を付けない業界関係者はおらんと思うし、店舗主体とした大企業は、パチンコ業界以外を含めて新しい「パチンコホール」の新設に乗り出すのではないかということですね。上述した主要設備(1)から(10)のうち(1)から(9)までが不要になるというのは画期的な事ですから。

 

遊技者目線としては、マイナスの方が圧倒的に多いと思うけれどそれはあくまでも「石橋理論」に基づいた勝者の言い分であって、遊技客全体のことを考えればそんなにマイナスにはぶれないと思う。釘調整がなくなって困るのはパチプロと軍団だけだから。多くのお客様は既に釘調整によるパチンコの楽しみ方を忘れたかのような発言ばかりで、液晶の演出だけに一喜一憂するのが当たり前の時代だから現行の遊技機が管理遊技機に取って代わったとしてもあまり変化はないと思われます。むしろ機械代金が安くなれば、店の割数は上がるから客としては悪いことだけではないでしょう。今までの勝者がこれからは勝者でなくなるって事だけですよ。

 

今までの勝者は、これからは勝者ではなくなる。

パチンコでプロって何だろう?

 

僕らは位置について

横一列でスタートを切った

つまづいてるあいつのことを見て

本当はシメシメと思っていた

 

誰かを許せたり

大切な人守れたり

いまだ何一つ様になってやしない

相変わらず あの日の駄目なボク

 

 

今日のお話は、是非スガシカオさんのPROGRESSという曲を頭に思い浮かべながら読んで欲しいから、本日のタイトルをPROGRESSと付けました。毎週火曜日の夜10時半から放送される、「プロフェッショナル仕事の流儀」って番組が好きでねえ。毎週録画してじっくり見てるんですけどこの番組の最後に必ず貴方にとって「プロフェッショナルとは何ですか?」という問いかけがあるのですが、パチンコでプロって何だろう?年間365日を1日たりとも休まないで、365日パチンコ打って365台で遊技を終わる。勿論全部がボーダーライン超え。これができる人はプロなんでしょうけど、そんな人はこの世にひとりもいない。パチンコくらいプロとアマの線引きが難しい世界はありませんね。プロっぽい考えってのは分かるし、プロっぽい生活をしている人がいるってのも知ってるけどそれは全て「石橋理論」で成り立っている。じゃあ石橋理論を徹頭徹尾やれる人がプロかって言われると、それで勝ちまくってんのならまだしも大して勝ってないんじゃあプロって言わないと思う。今の世の中石橋理論を実践しても勝てない遊技客が非常に多い。何故ならば既に石橋理論が崩壊しつつあるから。

 

貴方にとってプロフェッショナルって何ですか?
(1)年間1000万円以上稼ぐ人
(2)毎年時給3000円以上稼ぐ人
(3)アナログが出たら攻略見つけてブッコ抜きする人
(4)パチンコだけで日本全国を渡り歩く人
(5)誰もが目指したいと思えるような人(あこがれの人)
(6)wikipedeiaに名前が出てくる人(誰もが知ってる人)

 

この辺のところが一般的には「プロ」って呼ばれる人達なんですかね?

 

その崩壊寸前の理論にとどめを刺そうってのが管理遊技機。僕は何十年も前にパチプロにはならないって事を決めた人間だけど、その理由はいつの日か石橋理論が崩壊するときが来るからって事は書いたと思う。その時代の状況を考えて将来を予想し考えに考え抜いた上で、現在の状況を予見できたわけだけどこの点では、パチプロさんよりも私のほうが先見の明があったと思ってる。1990年から2020年までにパチプロを職業に選んだ人は先見の明がなかった。多分今は苦労してると思うし、廃業を余儀なくされる人も随分見てきた。私が知ってるだけでもそれなりの数だから、日本全国って事になるともの凄い数の専業者がパチンコから足を洗う時代になりました。安田さんとかレイリーさんとかアンドレさん辺りは現時点ではパチプロって呼んでもいいと思うけれど、このクラスの人達でさえ食ってけない世の中になるんじゃないかなってのが私の予想。彼らは腕を磨きに磨いて時代に抗おうとするだろうけど、そんな努力など木っ端微塵になるくらい大きな力学が働くような気がしてます。元々換金ルールでさえ真っ白じゃなて、諸外国ならまず白か黒かの選別を迫られてるから換金禁止か国営ギャンブルかのいずれかの道。日本だから許されてるルール。日本でしか通用しない社会通念。日本でしか許されないルールの上で飯を食い、オレ様はパチプロだと主張する人達は滑稽でしかないのですが、これは全てこの国が「パチプロ」を許すかどうかにかかっていて、今までは許してきたけれど、これからは許さないに変わるのではないかと思ってる。

 

この国が本気になってパチプロは許さない

に変わればパチプロが生き延びる術はない。

 

勿論今日書いてきたことは全部間違ってるかもしれない。管理遊技機が来年の4月って事は遊技日本の情報で知っただけで実際にはどうなるのかは私は知らない。だけど考えるってことは重要だと思う。いつかは管理遊技機の時代になりそうだって事は、うすうす今の客はみんな知ってるし、そう遠くない日にその時代が来るような気がする。なってから考えたのでは遅いから、その前に考えとこうよってのが私の言い分。1990年代の前半に、いつかは石橋理論が崩壊すると予想してサラリーマンの道を選んだ私は、5年後には年金生活に入れるので将来的な不安はあまり感じていません。でもその過程でパチプロって職業を選んだ人達は今どうでしょう。かなり辛い思いをしてるのではないでしょうか?私が今まで接してきたパチプロさんは国民年金も払っていない。国民健康保険も払っていない。そんな人達が多かったです。貯金だけが頼りという将来では如何にも心細い。僕はなったらなった時考えるわっていう考えが大嫌いなんですね。物事が進んでからでは手遅れだから今考えろよ!当時私が考えてきたこの業界の姿はほぼ当たってるじゃありませんか。釘調整はなくなり石橋理論が崩壊する。

 

1990年に2020年のことが予想できたのであれば

2020年に2050年のことも予想できるはず

 

今の若い人たちは20年、30年先を見据えておかねばならないと思う。これから始まる管理遊技機の世界は、現金機⇒CR機。低換金率⇒高換金率。現金遊技⇒持ち玉遊技のような変化とはまるで違った異次元の世界になりそうなので、今までやってきた勝利の方程式は通用しない。パチプロも軍団も壊滅した世の中になった時、貴方は何を指針として戦えばよいのかが分からず道に迷うことになる。そうなったらそうなったで恐らくはプロ、軍団にとって代わる「確率・統計の頭脳集団」、「21世紀のトーマス・ベイズ」のような新手の軍団が現われるのかもしれないけれど、それは石橋理論のような単純明快なロジックではなくて複雑怪奇な内容になるだろうから殆どの人間は付いていけない。恐らくは管理遊技機が出るって言う話が現実になったとしても、既存のP機がすぐには新しい機械には入れ替わらないだろうか大丈夫って考える人が多いと思うんですけど、こと設備面から考察するとその考えは間違い。台の上に機械を乗せてるだけで営業ができる。玉を循環する設備も要らないし、コインを循環する設備も要らない。こんな便利な仕組みに乗っからない企業はないと思うし、他業種からの新規参入も大いに有り得る。発売されるまでは非常に時間がかかったシステムですが、いざ運用が始まると設備のコストダウン、遊技機のコストダウンが後押しして一気にP機から管理遊技機へとシフトする流れになりそうな気がします。無論そうならない可能性もありますが、今大事なのはそういうことじゃなくてあらゆることを想定して考えるべき時が来たってこと。

 

パチプロって何だろう?

って考えるときに来てるでしょうね。

この国が本気でパチプロを潰す気になれば

パチプロがどんなに腕を磨いても潰れます。

良くお考えあそばせ。

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