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政府、「依存症対策予算の確保にあたり原因者に負担を求めないのか?」などの質問に対して答弁

政府は、2018年6月1日、衆議院議員の柿沢未途 氏が提出した「依存症対策予算の確保にあたり原因者に負担を求めないのか?」などの内容が盛り込まれた質問主意書『特定複合観光施設区域整備法案に関する質問主意書』に対して答弁をした。



カジノの粗収益(GGR:Gross Gaming Revenue )に対する公租公課の実効負担率について

カジノを含めたいわゆる統合型リゾート(IR)施設を日本国内において実現するための具体的要件を規定した実施法案として、特定複合観光施設区域整備法案(以下、単に法案と呼ぶ)が本年四月二十七日に国会に提出された。その内容について、以下、質問する。

 

1
定額納付金の額はどのような規模になると想定されているか。カジノ管理委員会の経費の見積りとあわせて示されたい。


答弁内容
御指摘の「定額納付金の額」は、特定複合観光施設区域整備法案第百九十二条第一項第二号において、「カジノ管理委員会が行うカジノ施設に関する秩序の維持及び安全の確保を図るための必要かつ合理的な施策に要する費用のうち当該カジノ事業者に負担させることが相当なものの額としてカジノ管理委員会が定める額」と規定されており、カジノ事業の規模等が確定していない現時点においてこれを算定することが困難であるため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

 

2
これらの納付金に加えて、法人税、消費税(ゲーミング収入以外は課税対象)、そして固定資産税等の地方税が賦課される。カジノ事業者にかかる公租公課は、総じて、GGRに対する実効負担率で四十%を超えるものと見られており、シンガポールの三十・一%(内閣官房資料を参照)を大きく上回る。高率な公租公課がIR施設の収益性を圧迫するため、収益で回収すべきイニシャルの開発投資の規模にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。GGRに対する実効負担率の適正水準をどのように見て
いるか。


答弁内容
御指摘の「実効負担率」に関しては、特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ(平成二十九年七月三十一日特定複合観光施設区域整備推進会議)(以下「取りまとめ」という。)において、納付金の「GGR比例部分」について「諸外国との実効負担の比較及びIRを取り巻く競争環境を踏まえ、その水準を定めることとすべきである」とされている。特定複合観光施設区域整備法案における納付金に関する規定及び取りまとめにおける実効負担率の試算の方法に基づけば、我が国の実効負担率は、我が国と同様にカジノ事業者の免許数を制限している諸外国と比較すると、御指摘のシンガポールの水準は上回るものの、オーストラリアのビクトリア州の水準及び米国の各州の平均水準は下回ることとなるものであり、特定複合観光施設区域整備法案における納付金の水準は適切であると考えている。



入場者の本人確認手段について

 

1
世界最高水準のカジノ規制とギャンブル依存症等の弊害防止策を実施するため、カジノへの入場にあたっては、日本人の入場者には月単位および週単位の入場回数の制限を課し、マイナンバーカードによる本人確認を通じて入場回数を確認するものとされている。しかしながら、マイナンバーカードは人口に対する普及率が九・六%に過ぎず(平成二十九年八月末時点)、一般的には本人確認の際の公的な身分証明書としては運転免許証やパスポートが使われるのが、いぜん大多数である。運転免許証やパスポートは日本人のカジノ入場にあたっての本人確認等の手段として使用できるのか。

 

答弁内容
御指摘の特定複合観光施設区域整備法案では、本邦内に住居を有する日本人については、第七十条第一項において、カジノ事業者が行う入場者の入退場時の本人確認に関し当該入場者から提示を受けなければならないものとして個人番号カードのみが規定されており、お尋ねの「運転免許証やパスポート」を当該確認の手段として使用することはできない。また、本邦内に住居を有しない日本人については、同項において、「旅券(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に掲げる旅券をいう。)その他の特定の入場者を識別することができるものとしてカジノ管理委員会規則で定めるもの」が規定されており、旅券を使用することは可能とされているが、それ以外のものの使用の可否については、今後検討されることとなる。


2
仮に日本人のカジノ入場の際の本人確認等の手段をマイナンバーカードに限定すると(運転免許証やパスポートを除外すると)、現状の普及率を踏まえれば、日本人の大半はマイナンバーカードを持っていないのだから、日本人のカジノ入場者数には相当なブレーキがかかる事が予想される。それによりIR施設の収益性にも相当な影響を及ぼす事が予想されるが、本人確認の手段の多様性如何によってこのような影響をもたらす事の妥当性をどのように考えているか。


答弁内容
お尋ねの「本人確認の手段の多様性如何によってこのような影響をもたらす事の妥当性」の意味するところが必ずしも明らかでないが、御指摘の本人確認の手段については、取りまとめにおいて、個人番号カードは「本人特定事項である氏名、住所、生年月日、顔写真が記載されていること、公的機関が発行する書面で、国民が容易に入手できること、特定の個人について一貫して最新の情報を確認することができることから、本人確認手段として優れている」とされており、カジノ施設への厳格な入場規制の実効性を確保する観点から、カジノ事業者による入場者の本人特定事項等の確認手段としては、個人番号カードの提示を受けることとすることが適当であると考えている。


3
日本人のカジノ入場の際の本人確認等の手段をマイナンバーカードに限定した場合と運転免許証やパスポートでも可とした場合とで、日本人の入場者数にどのような違いが生じるか、試算した事はあるか。ないとすれば、今後、試算をするつもりはあるか。


答弁内容
お尋ねの「試算」については、これまで実施したことはなく、また、今後も実施することは考えていない。



カジノ事業免許の期限について 


1
カジノ事業の免許期間を三年としている理由は何か。

 

答弁内容
カジノ事業の免許の有効期間については、カジノ事業者に高い水準の廉潔性や事業遂行能力を維持させるとともにカジノ事業者の過度な負担を避けるため、諸外国の例も参考に、当該免許の日又は従前の免許の有効期間の満了の日の翌日から起算して三年としたものである。


2
国土交通大臣によるIR施設整備区域の認定にあたっては、有効期間は認定の日から起算して十年とされている。これに合わせて、IR施設スタート時のカジノ事業に対する免許の交付にあたっては、なるべく大規模な民間投融資を誘発する上でも、長期事業継続の予見性が担保されるよう、三年とは異なる免許期間の設定をすべきではないか。


答弁内容
お尋ねの「長期事業継続の予見性」の意味するところが必ずしも明らかでないが、カジノ事業者は、免許の基準に引き続き適合していれば免許の更新を受けることが期待できるのであり、御指摘の区域整備計画の認定の有効期間の長さにかかわらず、カジノ事業の免許の有効期間を三年とすることは適切であると考えている。


IR施設の開業時期の見通しについて

法案では、施行時期について、「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること」とされている。そこから計算した場合、平成三十年度中に法案が成立したと仮定すると、法律の公布は平成三十一(二〇一九)年度、法律の施行及び国土交通大臣における基本方針の策定が平成三十四(二〇二二)年度、都道府県等における実施方針の策定と民間事業者の選定が平成三十五(二〇二三)年度、都道府県等と民間事業者が共同で提出するIR区域整備計画の認定申請に基づき、国土交通大臣が認定審査を行い、認定が下りるのが平成三十六(二〇二四)年、ここでIR施設の整備が確定する。そこから基本設計・実施設計、区画整理や都市基盤整備に二年、IR施設全体の建設工事に三年を要するとすると、実際にIR施設の開業に至るのは、平成四十一(二〇二九)年となってしまう。
以上のようなタイムラインが想定され得るが、法案成立後、法律で定められたプロセスで進めていくと、実際のIR施設の開業時期については、最短で何年後にできる見通しだと政府は考えているのか。

 

答弁内容
御指摘の「実際のIR施設の開業時期」は、都道府県等及び民間事業者における検討や特定複合観光施設の建設等に要する期間に大きく左右されることから、お尋ねについて具体的にお答えすることは困難である。


ギャンブル依存症対策について

カジノを含むギャンブルへの依存症に陥ってしまった人達への対策を十全に講じる事が不可欠の前提であるのは言うまでもない。カジノが事業として可能になる以前より競馬・競輪等の公営競技やパチンコ等の遊技、その他のギャンブルによる依存症患者は日本においても多数発生しており、公的な財源の裏付けが乏しい中でも、民間NPOらの有志による依存症患者や家族への支援活動が展開されてきた。こうしたギャンブル依存症対策については、原因者負担の原則に基づき、カジノを含めた前述のギャンブル主催事業者から、それぞれ応分の財源負担を求めるのが適切である。

 

1
ギャンブル依存症の患者数に関し、政府が公式の推計を行った上で、必要な対策予算額を試算する必要があると考えるが、政府としてそれを行う予定はあるか。


答弁内容
尋ねの「ギャンブル依存症の患者数」及び「公式の推計を行った上で、必要な対策予算額を試算する」の意味するところが必ずしも明らかでないが、ギャンブル等依存については、平成二十八年度から国立研究開発法人日本医療研究開発機構において実態調査を行っており、これまでに、二十歳から七十四歳までの人口に占めるギャンブル等依存が疑われる者の割合等を明らかにしたところであり、政府としては、今後とも、ギャンブル等依存症対策について、定期的な実態調査に基づいてPDCAサイクルを推進することで、不断に取組を強化していくこととしている。
 

2
ギャンブル依存症対策予算の確保にあたっては、原因者負担の原則に基づき、ギャンブルの業態別の売上高に応じた負担を課す等の法制度の整備を行う事によって、ギャンブル主催事業者に財源を求めるべきと考えるが、政府の見解如何。


答弁内容
お尋ねの「ギャンブルの業態別の売上高に応じた負担を課す等の法制度の整備」の意味するところが必ずしも明らかでないが、ギャンブル等依存症対策については、議員立法として提出された法律案が国会において議論されていると承知しており、お尋ねについては、その法律案の内容に関わるものであることから、政府としては、国会での議論の推移を見守ってまいりたい。

 

3
これまでのギャンブル依存症対策は民間NPOらの有志が主体的に担ってきたため、対策のノウハウ等の知見はそこに蓄積されている。これからのギャンブル依存症対策の実施にあたっても、民間機関に財源を委ね、施策の実施、効果分析、国への報告を求める、という民間主導の仕組みをつくるのが有効であるものと考える。文化振興政策としてのアーツカウンシルの手法も参考になるとの指摘もなされているところであるが、この点に関する政府の見解如何。


答弁内容
お尋ねの「民間主導の仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、政府としては、ギャンブル等依存症対策については、ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議の下、関係行政機関が十分に連携して、必要な取組を徹底的かつ包括的に講じていくこととしている。

特定複合観光施設区域整備法案に関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a196317.htm

 

衆議院議員柿沢未途君提出特定複合観光施設区域整備法案に関する質問に対する答弁書
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b196317.htm

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