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エースナイン

大一商会

発表時期
1985年
種別 3種
玉貸機
現金機
デジタル確率-
アタッカー開放時間9.7秒×8回
賞球数オール13

権利モノといえばパンクである。パンクしないようにストロークを工夫したり、祈ったり。この『エースナイン』も、権利を獲得しても1回もアタッカーを開かせることなく権利が消滅したり、運良く8回まで継続してその出玉に喜んだりできる権利モノである。大当たり出玉は0~800個程度。

天横左右もしくはその下の役物に直接入る入賞口を狙って玉を打つ。盤面中央では赤と黄と緑で縁取られた穴が3個ずつ、計9個ある回転体が時計回りで1周約2.5秒で回っている。赤い穴に入れば権利獲得となる。効果音とランプが権利を獲得したことを祝福してくれる。

その後はヘソのGOに玉を入れる。入れば最下部のアタッカーが10個入賞もしくは約9.7秒開放して出玉を稼いでいく。この繰り返しは最高8回だが、8個入った時点で、次のアタッカー開放で終了となる。例えば、4回目のアタッカー開放時に8個目の玉が入ってしまうと、次の5回目でアタッカー開放は終了となる。もちろん、権利獲得中に赤い穴に再び入ってしまった場合もパンクである。

 

権利を獲得するためには、つまり通常時はぶっ込みもしくはぶっこみ弱めなどのストロークで回転体への入賞を目指す。権利獲得後は、GO入賞でアタッカーを開かせるためにぶっ込みもしくはぶっこみ弱めなどに打つ。そう、権利獲得時も獲得後もストロークはほぼ同じである。それ故にパンクするのだ。

 

では、パンクしないように通常時はぶっ込みあたりを狙い、権利獲得後は8回継続を勝ち取るために盤面右側を活用する…という誰もが思いつくようなストロークの工夫も考えるられるが、そんな釘調整をするホールなどなく、パンクするのもゲーム性の一つといった感じで打つしかなかった。権利獲得とパンクを繰り返すことが感情を揺さぶったのだ。

 

同じ回転体を使用したゲージ構成が異なる兄弟機もある。

0パン、買い足し、パンク…

 

個人的に言わせてもらうなら、パンクを恐れる遊技者やその声を代弁してメーカーに届けるホール関係者が、パンクすることも遊技性の一つとなっている羽根モノや権利モノの面白さを殺いだと思っている。デジパチもV入賞することで継続するのだが、デジパチにおけるパンクは許されない的な空気感は確かにあり、それが羽根モノや権利モノに波及していった感は否めない。もう一つ言うなら、無制限営業が主流になったこともパチンコ衰退の要因になったと思っているが、それはまたどこかで。

 

羽根モノでも権利モノでも、大当たりになるまでの打ち方、大当たり後の打ち方、それを何とか工夫してより多くの玉を出そう、より継続しやすい方法はないか、そんなことを考えながら打つのがパチンコの醍醐味だった。図柄が揃えば必ず1500個の出玉というのも計算しやすくて(打ち手にもホールにも)良いが、0~800個と幅のある出玉のパチンコ台も十分、魅力的だった。0パンで台にパンチをし、完走して感謝する。それが当時のパチンコだった。

 

ただ一つ、パチプロ的に嫌だったのは、権利獲得までにどのくらいの投資になるか見えにくいことだった。勝手知ったる羽根モノであれば、台のクセも過去の実績もわかっているから、台の善し悪しがわかりやすい。開放台を拾った時にもどこまで押すかのポイントがはっきりしている。それに対し、例えば『エースナイン』の開放台を拾った場合、押すべきポイントがわかりにくいのだ。ようは、釘調整から判断すると3000個の打ち止めまで持っていくのは厳しい台にもかかわらず、運良く打ち止めに持っていけることがたまにあったのである。

 

3000個なり4000個なりの打ち止め制の営業方法を採用している当時のホールで稼いでいくためには、いかに投資金額を少なくするかが最重要ポイントだったから、パチプロとしては役の小さい普通機や羽根モノのほうが与しやすかった。『エースナイン』はそういった理由でそこまで長時間打ったわけではないけれど、今でもその面白さを思い出せるくらいだから、秀逸な権利モノだったことだけは間違いないだろう。

 

ちなみに、

①赤い穴に入った瞬間に次の玉が赤い穴に入り、回転体の3つの赤い穴の内の2つに連続して埋めたことがある。当然、権利獲得できた(効果音とランプで祝福)時間は1秒もなかった

②赤い穴に入って権利獲得後、GOに入らずに買い足したことなんて何度もある!

③赤い穴に入って権利獲得後、GOに入らずに買い足している内に赤い穴に再入賞してパンクしたことなんて何度もある!

④まだ3回目のアタッカー開放時にGOに8個目の玉が入ってしまった。普段はそんなに入らないのに!

⑤権利獲得中に役物内にバンバン入ってしまうも、6個連続で赤穴を避けた!

などということは、特に珍しいことではない。

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