みんなでつくる! パチ&スロブログ
- 2026-10-01 07:00:00 シャウカステンに映る影
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タンポ印刷の凹版となる材質は非常に硬いステンレスでできています。其れは何故かというとカッターナイフを5kg重の力で押し付けて何万回も何十万回も移動するからです。客に対するうたい文句は「版は一生使える」だからちょっとやそっとでは研磨されないような硬い金属でなければなりません。
SUS304C18-8ステンレスという言葉を使ったことがあります。
パチンコ台の釘調整を認めていないのであれば、何故真鍮を推奨してるのかという記事を書いたときです。真鍮は銅と錫の合成金属なので柔らかいに決まってるし、釘調整を否定するのであれば遊技釘は真鍮ではなくて18-8ステンレスを推奨するだろうという理屈でした。18-8ステンレスとはニッケル18%、クロム8%、Fe74%から成る合成金属です。つまりステンレスというものは全体の3/4は鉄であり、其れにニッケルとクロムを混ぜると強度が増します。その中でも440Cと420J2という鋼材について商品化を試みました。鉄鋼業界では440Cの焼き入れ後硬度についてはとても良いという評価ですが、その分仕入れ価格が高いので安価な420J2での代用を検討した時、私は両方の鋼材をテストしました。テストの条件はエア押圧0.3Mpasで空インクの状態で50万回の印刷動作です。ブレードが0.3Mpasの力で圧力をかけながら版の上を移動する。これを1ケ月かけて50万サイクル繰り返しました。結果は次の通り。


420J2では版の上が傷だらけになりましたね。


440Cでは殆どひっかき傷がありませんでした。50万回かきとり動作を行ってもびくともしない。この結果をみてやはり420J2では版材としては無理だなあという事を痛感し、仕入れ価格が高くても440Cを採用することになった訳です。

そういうことで私どもの製版は440Cをメイン鋼材として使っているのですが同じ100mm厚版でもブレード式印刷機の場合は焼き入れした鋼材を使い、カップの場合は焼き入れしていません。これはブレードはエアで圧力をかけてかきとるから高い高度が求められるけれど、カップは磁石でくっつけてるだけだからHRC硬度が60まで必要ないからです。
440Cは焼き入れすると非常に高い硬度を示すけど、その反面腐食しにくいので凹版の面がきれいに溶けてくれません。どうしても強度が求められる版に対しては溶けにくくても硬度を優先したけれど、さほど硬度が求められない版に対しては焼き入れせずに使っている訳ですね。
これが製版を作る工程です。
最終的に版を掘る面は鉄とかステンレスに第二塩化鉄を照射して腐食しています。第二塩化鉄を当てる時間を長くすれば深く掘れるし、時間が短ければ浅い版となります。100mm厚の鉄に塩化鉄を当てて溶かしている訳ですね。そこで溶かす面と溶かさない面を区別するのにレジストと呼ばれる感光材料を塗ります。
レジストで守られた部分には塩化鉄が当たらない。
レジストが剥離した部分に塩化鉄が当たり溶ける。
その為にまずはステンレスの表面にレジストを均一に塗ります。液体状のレジストを回転体の上に流して高速で回転させると一様に薄い皮膜となって鉄板を覆い隠します。これが上の厚さ5μのレジストで黄色く示しています⇒光が当たった部分だけ硬化。茶色い色で示しています。レジストの上に銀塩フィルムを乗せて光を当てると、銀塩の黒い部分は光が遮蔽されるけど其れ以外は光が当たって硬化する。
フィルムはアマチュアカメラ用の現像フィルムと同じです。
写真屋さんで扱うフィルムと同じですね。街の写真屋ではネガフィルムだけど、ここではポジフィルムを使用。フィルムはポリエスターベースの透明樹脂の上に乳剤を含んだゼラチンが乗っており、乳剤の中には銀が入っています。この銀が現像処理により真っ黒になるのですが黒い部分は光を遮蔽する
透明部分は光を透過する
という事で光が当たる面と当たらない面とを区別。この光が当たらない面が溶けて凹版になるのです。
厚さ10mmの鉄板の上にレジストを塗り、その上に膜面を下にしたフィルムを乗せる。膜面とは銀が現像処理されて黒く固まった面のこと。現像フィルムは膜面と非膜面があります。
フィルムの黒い部分は黄色のまんま。其れ以外を茶色で色分けしています。光が当たらなかったレジストは固まっていないので現像処理後水で洗い流せます。光が当たったレジストは現像すると完全に硬化して鉄板の上に残ります。これが第二塩化鉄から守る働きをしてくれる訳ですね。

レジストのない部分だけに第二塩化鉄が当たり、鉄を溶かして凹版を作るのです。
版の上に残ったレジストを有機溶剤で溶かして取り除くと、深さ25μの凹版ができています。
これが製版です。第二塩化鉄が当たった面は溶けてなくなり凹版となるけれど、この時上述したように440Cを焼き入れすると溶けにくいので掘られた面はあまりきれいな形にならない。従ってさほど強度・硬度を求められない鉄板に対しては焼き入れせずに、プリハードンで使用している訳です。プリハードンにするのか、焼き入れするのかはその後の用途に応じて使い分けています。
膜面という言葉が出てきました。
膜というのは銀塩の事。銀が現像処理をして固まった黒い部分のことを指しますが、この銀塩はフィルムの片側だけ晒されています。つまり膜面の反対側は銀塩と表面には距離があるのですが、先ほどの光をあてる時に膜面が上にあるとちょっとした問題があります。
膜面を上にすると、銀塩とフィルムとの間に僅かに距離があり、この距離の為に光が斜めに差し込んでしまいます。光が斜めに入射すると、本来当たって欲しくない部分まで光が当たるのでレジストが硬化しない面積が小さくなってしまいます。其れが故水で洗い流した後、第二塩化鉄が当たる面積も小さくなり版が細くなるのです。
光が斜めに入射しない為には、膜面とレジストがぴったりくっついている必要があり。膜面を下に置くわけですね。
膜面が光を遮蔽して、版のデザインを成すことになるのですがこの時のフィルムは理屈では代用もあります。例えばレーザープリンターに紙ではなくて透明のフィルムに印刷すること。例えばセッターを使うこと。紙に印刷するものをプリンターと言い、フィルムに転写するものをセッターと言います。三重県にkimotoという会社があって数年前まではキモセッターという商品を販売していました。銀塩フィルムの代わりにこうしたものを使っても勿論代用はできます。然しながらキモセッターでは1200ppi。レーザープリンターでは精々360ppiという事で解像度が足りませんね。銀塩フィルムの解像度は3600ppiなのでシャープな製版を作るには、現像フィルムの方がきれいに仕上がります。キモセッターのような商品は今も尚ありますけど、銀塩フィルムに匹敵するようなきめ細かいフィルムを作ることはできないので
未だに銀塩フィルムに依存しています。ここまでのお話でタンポ印刷に関しては
①長時間インクの粘度が変わらない方が良い
②凹版の中のインクをできるだけ外に出さないこと
③凹版以外の平面にはインクを全てなくすこと
③のインクのかきとりは摩擦力が小さいほど良いでした。
ベタ面への印刷はタンポ印刷機が抱える重要な悩みの種です。つまりベタ面への印刷に関しては
①カップならば薄版よりも厚版
②カップよりもブレードこれは間違いないんですけど①②を採用したとしても、精々5cm×5cmくらいの大きさってことです。其れ以上大きな面積を印刷する必要が出てきたときは①とか②でも凹版内のインクはつられて外に出ていってしまいます。その結果どうなるかというと、真ん中辺りの印刷パターンがインクが欠けてしまいます。凹版内のインクが減っていますので、湾曲して真ん中の方が液位が低くなっています。
ベタ面の周辺は高い液位を維持してるけど、真ん中になるほど液位が低くなる。
この問題を解決するためには、ベタ面をなくすこと。網点って分かりますか?
フィルムを現像するときに版下に縦と横の線を入れて細かい隙間を作る事があります。遠くから見ると真っ黒だけど、大きく拡大すると網目のような隙間が見える。このために網点と呼ばれるのですが、アミが入ったフィルムは印刷の世界では良く使われます。オフセットの印刷ではCMYの3枚のフィルムを作りますけど、これはシアン、マゼンタ、イエローという色が付いてるのではなくてCMY其々の情報を1枚の情報に収めておりそのフィルムには網点の大きさにより強く出る部分とそうでない部分を区別する。網点情報が階調度の役割を担っておりアミが細かいほど色が濃くなる仕組みです。

フィルムを拡大するとこんな感じ。網点の数はスクリーン線数とも呼ばれ1インチ辺りに何本の線があるかで解像度が決まります。先ほど階調度と言いましたけど、階調と解像は似て非ざるもの。
解像度は1インチ当たりの線数⇒25.4mmの中に何個のピクセルが存在するか。
階調度は色の薄いから濃いまでの階段ですね。
先ほどの階調という言葉の意味は、CMY其々が2の8乗の階調を持っており印刷した時に透明背景に対してシアン、マゼンタ、イエローが夫々1から256までの色の濃さがあるってことです。
スクリーン線数の本数が多くなるほど網点の大きさは小さくなり黒に近づく。スクリーン線数の本数が少ないほど網点の大きさは大きくなり透明に近づきます。このような網点を持った現像フィルムを版材に乗せるってことですね。
網点のないフィルムから版を作るとこうなります。其れが網点のあるフィルムから版を作ると

フィルムの中に光を透過する網点がいくつもあるのでベタ面の中に、光が当たったレジストとそうでないレジストがあって、光が当たったレジストは溶けずに残るから、ベタ面の中に山が反り立ったような形状ができる。

凹んだ版のベタ面の中に、反り立った網点があるともはやベタ面積ではなくなり細線や文字と同じような働きをする。反り立った山がインクが追随することを防ぎ版の中のインクを外に逃がさない。この状態でシリコンパッドが下降するとインクの上位層である3.6μだけ拾って製品の上に転写するので広い面積であってもきれいに印刷することができる。


細線の時は狭い中にインクが閉じ込められていて、外から引っ張ってもインクは出ない。其れと同じ構造を作っているのですね。もはやベタ面ではなくて全てが細線である。ベタ面をなくすってのはそういうことでした。
たとえ広い面積を印刷する時でも、全てを細かい穴の中にインクを落とすような仕組みを作ればインクが引っ張られて外に出げ出す事はありません。少し前に書いた記事で、潤滑塗装とパナソニックの遮光レンズという目的がありました。こういう印刷の現場ではアミなしの製版ではなくて、アミ入りの版を作って印刷することが一般的です。網点を細かくし過ぎると反り立った山の面積が小さくなり過ぎてアミが壊れる可能性がありますし、網点が大きくなりすぎるとベタを印刷したいのに、綺麗なベタ面ではなくて印刷結果に細かい網点が生じてしまう恐れがあります。用途に応じてアミ点の大きさは考慮しますが
網点がタンポ印刷の用途を拡大したことは間違いありません。
網点の技術は鉄板以外にも応用されてます。量産用の版はステンレスで作られますが、一時的に試したいという需要もあるでしょう。試作段階ではまだ完全に版のデザインが決まってないので数回印刷しただけで終わりにする版もあります。このような場合には都度高額のステンレスで版を作るのではなくて、簡易的に「樹脂」で製版することがあります。樹脂といっても感光材料を含んでますから通常のプラスチックとは異なるし、未露光状態では水かアルコールで溶けてしまいます。水用とアルコール用の2種類ありますがいずれも薄い鉄板の上に感光材を含んだ樹脂の板が乗ってます。
鉄の版を作る時と同様に版の材料となる板の上に現像したフィルムを置いて光を照射します。光が当たった部分は固まって、其れ以外は未露光部分として水かアルコールに溶ける状態です。

このまま水で洗っても良いんですけど、樹脂版は鉄に比べて強度がないためにこの後網点フィルムを乗せてもう1度露光します。
露光後に水かアルコールに付けてブラシでこすれば洗い流せます。この時にアミがなければどこまでも深く掘れてしまうので、ある程度の深さに留める為にも網点が必要なのです。つまり未露光部分を全て洗い流すのではなくて、適度な深さだけを洗い出す。未露光の樹脂が残りますが、この後に熱乾燥すると未露光部分の脆弱な樹脂が硬化して凹版の形が決まるのです。
一般的には樹脂版水用。樹脂版アルコール用と呼ばれます。このような樹脂版は量試作品を作る段階で使用されるだけでなく、1回だけ印刷されるような場合にも重宝されてます。例えば学校の卒業アルバムとか、神社仏閣の名前が入った御札とか。固有名詞が使われる印刷には樹脂版の方が良いでしょう。
皆さまは関心がないでしょうが、今まで私がやってきたことを整理するつもりで書いてきました。これも一種の終活です。
人生の終わりが近づいてきたという実感はあります。
人生の集大成としてパチンコビレッジに参画させて貰ったけれど、今まで僕が何をやって来たかを説明することも意味があるんじゃないかと思って書いています。2006年末は竹屋にいたから、その翌年の9月からこの仕事に従事して20年近く経過しました。2007年から2009年までは営業職として外に出て、2010年、2011年は中にこもって機械開発、サプライ開発の仕事をしていたけれど、僕がこの会社に入って以降の20年間は常に反対勢力との戦いだった。既成概念、固定観念。自分が今までよかれと思って信じてきたことを他人から否定されると猛反発するひとが多いってのは事実。然しながら誤った考えで進んでいたロジックも多く、反対する人間と戦いながら機械のテスト報告を根気よく続けてきた。その甲斐あって僕が提案したロジックが今の機械やサプライ製品に活かされてるものは沢山あります。今回書いた内容では、製版に関すること以外では殆ど僕一人が考えてきたことを文章化しました。会社の中には、自分自身がイメージしている固定観念でしか判断できない人は多いから、新しいことを始めようとすると猛反発を食らいます。雨にも負けず、風にも負けず我が信念を貫いてきた自分がいたからこそ
今の会社があると思ってる。
タンポ印刷は奥が深い。パチンコが回るか回らんかという話になると、釘調整を含めて物理的な思考がとても重要になる。其れと同様にタンポ印刷はほぼ物理の世界。物理的な思考を突き詰めて考えていくと今回書いてきたようなお話になります。タンポ印刷に関する記事はこれで5つ目。多分あと何回かは関連する記事をUPすると思うけど、これが今後入ってくる新人さんへの解説になればと思って取り組みます。今はスマホの時代だから印刷して手渡すよりもこっちの方がええかな?って思いながら。スマフォだとお客さんのところに出向いて説明することも可なり。書類を持ってなくてもいつ何時でもこのサイトにくれば記事を読めるだろうし、社の新入社員とか営業職の人にとってはこっちの方が良いのではと思う。
元々感光材料とか印刷には造詣の深い人生でした。
シャープを退社した後お世話になったのが欧州の感光材メーカー。AGFA-GEVAERTって企業を知る人は少ないと思うけれどそこで僕は病院向けにレントゲンフィルムとか現像機を売っていた。1993年のお盆休みのあとかな。その年は6月7月8月と雨ばっかしでかなりの冷夏でした。恐らくは記憶に残る最後の冷夏と思うけど9月と10月までは東京に行って本社研修をしてました。その2ヶ月間は池尻大橋にあるビジネスホテルを借りていてそこから歩いて東山の本社ビルまで行ってました。なかなかに下町風情の良い町でしたね。池尻大橋は目黒区なのでまあまあ金持ちが住んでそうなとこだけど、ホテルから会社があるとこまでの道中は割と下町で気軽に話しかけられそうな雰囲気。結構気に入ってました。
AGFAはチャーチルのこれからはヨーロッパはひとつの言葉を最初に具現化した会社。AGFAはドイツの機械メーカーで、GEVAERTはベルギーの感光材メーカー。異なる企業が国をまたいで握手した初めての企業です。ヨーロッパの富士フィルムみたいな会社ですけど、日本での道のりは容易くなかった。何故ならば日本とヨーロッパは全然気候が違うから。向こうは湿度が低いし、日本は湿度が高い。レントゲンフィルムで血管造影とかマーゲンって分かりますかね?例えば健康診断に行ってレントゲン技師が胃の写真を撮るでしょう。造影剤を飲んでゲップしないでって言う奴。身体をぐるぐると回しながら何枚もレントゲン写真を撮るんですけど、AGFAのフィルムはワヤでしたわ。吸盤で吸ってフィルムを1枚毎に撮影機に送るんですけど、向こうは湿度が低くてカラカラだからフィルムがくっつかないけれど、日本の6月はくっつくのよ。レントゲンフィルムは感度が低いので表と裏に増感紙を貼った器具にフィルムを入れてます。当然フィルムには両面に乳剤が塗っているんですけど、この両面乳剤が悪さして
フィルム同士がくっつくんですわ。
1枚ずつ高速で搬送せねばならんところが、AGFAのフィルムは2枚くっついて搬送されるからクレームだらけ。こんなもん売れるわけないっしょ。富士フィルムやコニカのフィルムはくっつかないのにAGFAだけがくっつくものですから市場から見放されて営業としては苦しかったですね。藤原紀香が富士フィルムCMに起用されたのはもうちょっとあとの事。富士ファインピックスが登場すると世の中はデジタルカメラ一色になってアナログのカメラやフィルムは斜陽化していった。世の中がアナログからデジタルに移行する中で、レントゲンフィルムを扱う会社に未来はなかった。時代を逆行することを知りつつも僕はレントゲンフィルムを追いかけて、AGFA製品の販売に邁進していたけれど残念ながら日本における同社の地位は富士やコニカに比べると天と地ほどの差があった。レントゲンの世界はフィルムからモニター診断に移行して、名大と共同開発した富士のFCR⇒富士コンピューテッドラジオグラフィーが一世を風靡する。
モニタで診断するだけで保険点数を取れるようになったので
レントゲンフィルムは終わりましたね。
愛知・岐阜のおもだった病院はほぼ行ったと思う。愛知には
名大病院⇒富士フィルムと通じてる
愛知医科大学付属病院⇒コダックと通じてる
藤田保健衛生大学附属病院⇒コニカと通じている
愛知県でNO.1といわれるのは豊明にある藤田保健衛生大学附属病院。通称藤田学園。学園の名が付くのはレントゲン技師の養成学校があるから。この病院はベッド数では愛知県で1番だし研究熱心だから僕も足しげく通ったけどここのレントゲン部署はコニカと通じてたから相手にされんかった。愛知医科大はコダック、名大は富士と相場が決まっており病院のレントゲン技師と感材メーカーはセットになっていて新規参入はほぼ無理だった。そういう環境だってことに気付いてからは発想を変えたけど、僕が病院関係で実績を上げたのは中川区にある名古屋掖済会病院だけ。ここもかなり大きな病院だけどAGFAがドライスター2000という商品を発売してこの病院に通いましたね。RI⇒ラジオアイソトープ
RIは放射性同位元素(RI)から放出される放射線を利用して体内の代謝を画像化したもの。人体の臓器が赤や黄色や緑で色分けされて状態がひと目で分かるようになっている。元々RIの診断結果ははインクジェットプリンターで印刷されていたんですけど、ドライスター2000はこれをオペイクのフィルムに出力できる機械だった。プリンターで印刷してたんでは「保険点数」を請求できないけれどオペイクのフィルム診断は保険点数を請求できるんですね。そこに目を付けて僕はこの病院の放射線科にDRYSTAR2000を売り込んだわけ。900万円くらいのレーザープリンターです。紙への印刷ではお金にならんけど、患者さんの診断画像を毎回オペイクのフィルムに出力すれば保険点数を国に提出してお金が貰えるということで、病院側のメリットと僕のメリットが一致した。AGFAの商品をまともに売ったのはこれくらいですかね。
トランスペアレンシー⇒透明のフィルム
オペイク⇒不透明の白いフィルム





テクニカルデータのところに、熱昇華方式という言葉が見えると思います。皆さまはあまり馴染みのない言葉と思いますが、元々昇華型プリンターってのは愛好家には良く知られた印刷機であります。昇華とは2段階化学変化を為すこと。普通は固体⇒液体⇒気体とプロセスが進みますが、固体から液体を経ずに気体に変わることを昇華といいます。インクは固形のリボン。これに熱を加えて液体を経ずに一気に気体にしてフィルムに転写する。イメージとしては気体状のインクを噴霧して吹き付ける感じ。レーザープリンターは粉末のトナーを熱で焼き付けるし、インクジェットは液体のインクをノズルから押し出す。いずれも粉か液体なのですが、昇華型プリンターは気体を転写することに特長があります。
気体の方がより細やかな階調を表現できるんですね。解像度ではなくて階調度。どんな印刷機でもカメラでもデジタルである限り階調には段階があります。論理的にみてデジタルカメラは永遠にアナログカメラには勝てないってことを知っていますか?例えばCMY其々が8ビットの階調を持つ画像があるとして、8ビットであれば1から256までの階段を登ります。従って1から2までの間には必ず「刻み」ができるんですね。写真をぱっと見ただけではデジタルもアナログも同じように見えても、局所拡大するとデジタルカメラで撮影した画像ではひとつのピクセルが正方形になっててガタガタに見えるんですね。ところがアナログには階調が無段階なので刻みが全くありません。
1から256まで1段ずつ階段をのぼるか
1から256までの階調には階段がないのか
同じ理屈でインクジェットで印刷した結果やレーザープリンターで印刷した結果よりも、銀塩フィルムを現像処理したフィルムの方が階調のない滑らかな写真を得ることになります。如何にプリンターの精度が進んだとしても、印刷物としては写真屋さんで印刷してもらった「写真」よりも綺麗な画像は得られません。カメラも印刷物も全てデジタルよりもアナログの方がきれいになるという事は知っておいて欲しいです。
デジタルには階調がある
アナログには階調がない(無段階階調)
そういうことでデジタルでありながらインクジェットやレーザーよりもアナログに近づけた印刷の仕組みが昇華型プリンターなのです。これは国内製品でも発売されてました。同時期にアルプス電気が発売した昇華型プリンターMD-2300S/Jを店頭で印刷してる様子を見たことがあるんです。CMYの順番に。シアンを印刷すると紙が排出しかかってまた戻る。次にマゼンタを印刷すると紙が排出しかかってまた戻る。次にイエローを印刷するとまるで写真のように滑らかな階調の印刷物がプリンターから排出されました。つまり昇華型プリンターというのは紙の大きさと同じ大きさのインクリボンをCMYと3枚必要とするのです。ランニングコストが高いことは知っていたけど、それでも写真のような印刷ができる同商品に魅力を感じた私はMD-2300を購入することになったのです。そのような経緯があるが故に、昇華型プリンターが医療の現場で役に立つことは分かっていたのでドライスターは売り込みやすかったです。骨折の場合は透明のフィルムに現像フィルムのような階調を表現できるし、超音波(US)の機械では妊婦の中にいる赤ん坊の画像を再現し、RIでは臓器の状態をきめ細かく表現する。AGFAのDRYSTAR2000は医療の現場で効果的な出力機器でした。
名古屋班としてはかなり苦戦を強いられた大手病院とのお付き合い。大抵はメーカーと放射線科が裏でつながっており袖の下は当たり前。酷い時はメーカーが技師長に車をあげたりすることもあるのでお手上げでしたね。そういう袖の下でつながった関係の中に割って入るのは無理なので他社にないものを売り込むしかなかった。先ほど紹介したドライスターとかシネフィルム。シネは心臓の血管造影写真をモニタに投影する機材。映画と同じですよ。巻きフィルムに現像した画像を光を当てて遠くのモニタに投影する。1秒間に何枚も撮影して其れを高速でコマ送りすると心臓がまるで動いてるみたいに見えるけど、医師が其れを見て診断する訳です。シネフィルムを現像する機械は富士にもコニカにもなかったのでコダックVSアグファという戦い。名市大からシネの引き合いがきたときにアグファのシネが採用になって導入しましたね。
名古屋掖済会病院⇒RI用のDRYSTAR2000
名市大病院⇒循環器科のシネ撮影現像機
販売できたのはこれくらいですね。ドライスターで使われるフィルムサイズは8×10(エイトバイテン)inch。シネは5cm×60mくらいのロールフィルム。一般的にフィルムのサイズは
八切り(6×8inch)⇒15.2×20.3cm
六つ切り(8×10inch)⇒20.3×25.4cm
四つ切(10×12inch)⇒25.4×30.5cm
大四つ(11×14inch)⇒27.9×35.6cm
大角(14×14inch)⇒35.6×35.6cm
半切(14×17inch)⇒35.6×43.2cm
この6つです。
八切りは歯科医で撮影するフィルム。
六切りはRI、超音波(US)もあったけど1番多かったのは骨折。手の骨折や足の骨折を見る時に撮影したから、主として整形外科で使用されることが多かった。だから開業医にフィルムを売り込む時は〇〇整形がターゲットになる。四つ切りはレントゲンフィルムのエース。1番注文が多かったサイズだけど、胃のレントゲン写真。
大四つはCT
大角は胸部のレントゲン写真
半切はMRI
ルーティーンな営業としては代理店回り。岐阜の日建産業、愛三岐静の昭和薬品が代理店。レントゲンフィルムは薬価として扱われたので薬問屋が扱った訳。国が決めた薬価に対して富士やコニカよりも安い値段にして、代理店経由で開業医にフィルムを売ることが主な仕事。極稀に開業医向けの自動現像機が売れることもあったけど、地方拠点には技術者がいなかったので営業兼エンジアニングという位置づけて開業医向けに、修理に行く事も珍しくなかった。まあ修理といってもメイン基板を替えるだけですがね。1度だけ伊東にある開業医に日帰りで現像機修理に行ったことがあったけど、しびれましたよ。往復500kmですからねえ。静岡遠征に行く時は浜松⇒掛川⇒藤枝⇒焼津⇒静岡⇒沼津にある昭和薬品に朝行ってから大手の病院回りをすることが慣わし。遠征からの帰りには必ず浜松に立ち寄るけど、仕事が終わると夕方の5時くらいから浜松IC近辺のパチンコ屋で遊んでから帰ってたなあ。竜王っていう名前の店が多かったけど当時(1990年代半ば)の浜松は換金率が44個100円のお店が殆どだった。静岡=低換金率営業って感じでしたね。従って静岡県全域は一定期間、営業として車で病院や代理店廻りをしていたけれど、基本1号線が中心の街なんで道に迷う事はあまりなかった。1号線と東名高速と富士バイパスくらいしか走った記憶がないや。
シャウカステンに映る影。これを見ながら医師とフィルム特性曲線の話をすることが営業の柱。今までにも僕は写真とか現像業界特有の言葉を使ったことがあるけれど、その根っこはAGFA時代のものなんですねえ。レントゲンフィルムに映る像を見て、写真のエッジがくっきりと見えるなら「立ってる画像」と言い、其れとは反対に輪郭がぼやけていたら「寝た画像」という。診断により、医師の好みにより評価は分かれるけれど前者はラチチュードが狭いと言うし、後者はラチチュードが広いという。ラチチュードの狭いフィルムは焦点を合わせるのが難しいけれど、其れが合えば細かい部分まではっきりと見える利点があるし、ラチチュードの広いフィルムは細かい部分は見えにくいけれど焦点を合わせるのが簡単だから撮影条件が合わなくても其れなりの写真ができる。どちらを好むかは医師に依りましたね。
これまでも自分の人生の一部をパチンコビレッジに書いてきたので、今回の記事もそんな感じ。需要があるとかないとか。全然関係ないからね、そんなのは。


東京行ってた頃2ヶ月間泊まり込んだのがホテルサーブ渋谷ですね。そこから河つたいにおりてくと本社ビルがあった。画像の中の城南信用金庫三宿支店。赤い目印のところ。
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プロフィール
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ゴーニィ
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基本パクりと物真似と替え歌だからオリジナリティゼロだけど、それでも自分が面白ろいと思ったことを正直に書いてきたつもりなので自己満足という点ではアリだな。お笑いのネタが無尽蔵に湧いてくる。なんでやろ?パチンコじゃなくてお笑い芸人を目指せばきっとボケと突っ込みでボケの方。
パチンコが好きか嫌いか言うたら「好き」の方やと思うけど、昔ほど夢中ではないし好きでもない。1個賞球増えてきて、玉の出ない(循環式)パチンコばかりになるとパチ続ける自信 が持てん。パチばっかりやってる人は早いとこ就職した方がええと思うで。
パチプロなんて自分がパチプロと思い込んでるだけですからwww
- 職業:まだ会社員
- 生年月日:6月27日
- 性別:男性
- 血液型:O型
- 活動地域:香川県生まれ、愛知県暮らし
- パチンコ歴:長い
- 好きなパチンコ機:アメリカンドリーム
- パチスロ歴:やらないかも知れん
- 好きなパチスロ機:見つからんかも知れん
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https://twitter.com/gorny777
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