There is no room for …

この記事を書いてるのはフリー・ウェイシリーズ真っただ中。メジャー・リーグには同じ都市に複数球団がある場合は、概ねそのような表現で試合を盛り上げます。


NYYvsNYM⇒サブウェイ・シリーズ
CWSvsCHC⇒クロスタウン・シリーズ
LAAvsLAD⇒フリーウェイ・シリーズ


格下のLAA相手にどんな戦い方を見せるのかと思いきやLADはボロボロ。1回の表に、2点、3点、3点と失点して先発が持たず降板すると今のLADのブルペン陣は怪我人だらけだから同じピッチャーにしわ寄せがいくという事で


イエイツ
バンダ
ガルシアがボロボロ


1回の表に3点取られると敗率が8割を超えます。
初戦ダスティン・メイが初回2失点
2戦目クレイトン・カーショウが初回3失点
3戦目トニー・ゴンソリンが初回3失点

 

正直、ロバーツ監督はベテランのイエイツとガルシアは潰れても構わんと思って投げさせてると思いますよ。案の定2戦目にイエイツはふくらはぎの肉離れで離脱。そのうちガルシアも潰れるでしょう。大体先発ピッチャーの怪我人が多すぎる。佐々木は当初から計算には入ってないと思うけど、グラスナウとスネルの長期離脱は痛すぎる。先発が長いイニング放れないから、ブルペンに負荷がかかって出れば打たれ出れば打たれでそのうち怪我で離脱する。


グラテオル
コーペック
トライネン
フィリップス


4人の右ピッチャーが帰ってこないと厳しいな。とはいうものの第2戦だけは勝ちたかった。この試合の勝敗を分けた1番の要因は7対5とリードしてた状況でカスペリアスが1,2番に連続二塁打を打たれたところでイエイツに替えた采配。危ないなイエイツ。危ないぞいぞイエイツ、最近投げ過ぎだぞ。オホッピーにホームラン打たれたら7対9だなって思って観てたら3ランホームランを打たれました。この采配が3連敗につながってしまいましたが去年から結構こういう采配はやってます。ベンチのミスです。

 

いつも通りのロバーツ監督の迷采配に嫌気しながら観てたけど、この試合は其れ以上に気になったのが大谷選手のバッティング。6打数ノーヒットってのはいつ以来って思いましたが、この日は初回からいつもと様子が違っておりました。みんなそうですけど、最初の打席でタイミングあってないなと感じると最後までダメ。ピッチャーが替ってもダメ。この日LAAの先発は左のアンダーソン。2023年にこの投手観てた時は、球威はないし変化球の制球力がないし全然ダメって感じだったのでこの日の大谷選手は楽勝かと思いきやさに非ず。初回の第1打席の初球が外寄りの真っ直ぐを見逃したのが痛かったですねえ。手を出せば左中間のツーベースとかセンターフライとか何某かの良い当たりしたんじゃないかと思いましたけど2球目も見逃してツーナッシング。からの3球目のチェンジアップに空を切って三振でした。このチェンジアップも割と甘い球だったんですけど何故かバットに当たらず。この日の大谷選手は6打席とも何かおかしかったですね。初球のストライクを見逃して彼は審判にタイムを要求したんですけど、今までならばワンスタライク後にタイム取ることはなかったんで何かこの日はタイミングが合わない理由があったんでしょうね。2打席目は外から外に逃げて行く変化球を捉えて良い当たりはしたものの左中間のフライアウト。もうちょっと真ん中寄りに来てたらホームランだったけどこの打席は惜しい当たり。3打席目もアンダーソンのチェンジアップが低めに来て空振り三振。この日はアンダーソンのチェンジアップに悉くやられました。


4打席目はデトマーズ(左)から外の真っ直ぐを捉えてセカンドベースの左に飛んでゲッツー。まあまあ良い当たりだったけど、調子が良い時の彼ならもっと打球が上に上がってた。どちらかというと打ち損じの打席也。5打席目と6打席目はいずれも右ピッチャーに替ってくれたのでどうかと思いましたけど、3打席目までにやられたアンダーソンのチェンジアップが頭から離れなかったのかどうか?右投手に替ってもタイミングが合わずセカンドゴロ。最初の3打席目までの不甲斐無いバッティングが4,5,6打席目まで継続して続いたのでこの日は何度打席に立ってもヒットを打てそうな気がしなかった。こういう時1番バッターは辛いす。

 

左のホームランバッターの打席は沢山観てきたから。多分どの読者さんよりも数多く観てきたから分かるんですけど、この日の第1打席のパフォーマンスは酷かった。王貞治と松井秀喜の打席をずっと追いかけてきた身としてはあの三振はない。あれはピッチャーが低めに投げようと思って投じたチャンジアップが高めに浮いた失投。其れを打ち返すどころか空振り三振してまうやなんて有り得んと思ったけど、王貞治ならあんな三振はしない。松井秀喜ならあんな三振はしない。

 

王は1973年から1980年までの8年間
松井は1993年から2002年までの10年間

 

もう18年間も観てきたので。左の大砲がどのような打席を見せるかってことは知ってるので、あの空振りは異常だなって思ったんですけどスイング自体は強引にいったというよりも、タイミングが合わなかったように見えた。


5月19日フリーウェイ・シリーズで3連敗。


格下のLAA相手にまさかの3連敗と言いたいところだけど、この3連敗はまさかではない。勝ちゲームを落とすロバーツの采配は去年も何度も目撃したよ。彼はイニングの途中で投手を替えるクセがあるし、もうちょっと我慢したらという場面でも我慢できない早替えの采配はレギュラーシーズンでは時として無様な敗北を味わうことになる。其れが顕著に出たのが第2戦だったし、この試合は絶対に落としてはならない試合だった。これからも何度もありそうだけど

 


 

メジャー・リーグの出場枠は少ないので過当競争になっています。支配下選手枠が40人で出場枠が26人。前者の事を40man Rosterといい後者の事を26man Rosterという。26に漏れた人は40に落とすか、マイナーに落とせば良いと思ってるかもしれませんがMLB契約をした選手でメジャー5年以上プレイするとマイナーには落とせないので26に漏れた選手は実質クビという過酷な現実が待っています。今年のLADは既に2人がDFAとなり戦力外通告を受けました。


通常メジャー経験の浅い選手は26枠と40枠を行き来して、上が駄目でも3Aでプレイしながらチャンスを待つってことになるんでしょうけど、メジャー経験の長い選手は26と40の行き来ができないので26を外れた時点で、40人の枠からも外れることになり40man Rosterではいられなくなります。ここで他の29球団からオファーがなければ引退となるケースが多いです。勿論26から漏れた野手でも40に残す価値があれば、今現在40man Rosterにいる選手(投手)よりも優先的に残れますが、大抵は投手温存なのでってことですね。3Aからラッシングを上げたのでオースティン・バーンズがDFAとなり、エドマンが怪我から復帰してもキム・ヘソンを残したかったのでクリス・テイラーがDFAとなりました。日本なら代打の切り札、走塁のスペシャリスト、バントの達人辺りを控え選手としてベンチに置いとけるんですけど、向こうはそんなことできません。26枠にいる野手はほぼレギュラー選手だけです。

 


 

26人枠はアクティブ・ロスターと言われますが、このうち13人が投手と決まってます。残りの13人は野手と二刀流選手。だから実質的には投手13人、野手13人。ドジャースの野手13人は上記のメンバーですがフリーマン以外は皆ユーティリティ・プレイヤーです。スミス、ラッシングはキャッチャーですけどサードも守れます。エドマン、ベッツ、キケ、キムは内野と外野が守れる貴重な存在です。

 


ご覧のように13人は全員がレギュラーといってもいいほど。数試合に1度は試合に出るような形で戦いますが9つの打順に対して13枠しかないので実質控えは常時4人しかいません。メジャーのベンチ入り選手は意外と少人数です。
 

 

投手が13人。野手が13人がアクティブ・ロスターで上記の1から13までが試合に出られる投手です。驚いたことに40-26人で14人はアクティブから漏れた選手となるのですが、この14人は全員投手です。ですから野手としてはアクティブ・ロスターから外れると即DFAのピンチということで非常に厳しい競争枠だと思います。上記IRは怪我人。故障中だけどベンチ入りしている佐々木、スネル、グラスナウの3人は2アクティブ・ロスターの勘定から外れてるはず。


ここで問題となるのがアクティブ投手の内先発を何人にするかということ。

 

アクティブ・ロスターの投手枠が13人と決まってるなら
先発4人⇒ブルペン9人
先発5人⇒ブルペン8人
先発6人⇒ブルペン7人

 

先発の頭数を増やせば増やすほど、ブルペンが手薄となりブルペン陣の負担が重くなる。優秀なブルペンを揃えていてもその内疲れが溜まって打たれ始めるのが通例だ。だからこそメジャーは先発4人で中4日で投げさせることを好む球団が多い。先発が5人なら中5日、先発が6人なら中6日だけど、先発を6人も用意するとブルペンは疲弊する。これをやってたのがドジャースだけど、其れには病み上がりの先発が多いってことと、佐々木朗希がまだやれるという見通しが立っていなかったから。2年目の山本、1年目の佐々木を過保護して中6日で投げさせようとしていたからドジャースのブルペンが崩壊した。だからこそ肩の怪我にうすうす気づいていながらも報告を怠った佐々木の罪は重いし、そのツケが今回ってきている。


3月からLADは佐々木と山本に過保護な扱いをしてきた。彼らの健康を維持するため、先発を中6日で回し、球数も60から70球を目処にして替えてきた。スネル、グラスナウが長いイニングを投げてた時はそれで回ってたけど、スネルが離脱し、グラスナウが離脱して先発投手のイニング回数が減るとブルペンはたちまち疲弊した。かてて加えて佐々木も怪我を隠していたことが判明し離脱。開幕当初は盤石だったブルペンもトライネンが離脱して、バンダ、ガルシア、イエイツに負担がかかり打ちこまれるようになる。イエイツに至っては足の怪我で戦線離脱。


これがLADがLAAに3連敗した要因。


だからいくら莫大な金をかけて戦力を補強しても、ケガ人が出ると事態は変わる。金持ち球団だけが毎年勝つようなやり方ではダメだという事で、MLBはロスター枠を26と40という少ない数に制限してる。26人から漏れた野手は40人の枠にもとどまることができずマイナーにも落とせないベテラン選手はDFAとなり他球団に行くか引退する。そうすることで30球団の戦力を均等化することにつながっている。勿論ロッキーズとかホワイトソックスのように超弱球団もあるにはあるが、彼らとて数年後には再建を目指してる。ロスター枠の制限は、戦力の均等化⇒MLBの試合をつまらなくさせないための工夫。日本では金持ち球団が選手をいっぱい抱えて、調子が悪いと下におろして調子が上がるまで待つか、其れとも悪いまんま飼い殺しにして他球団に良い選手がいかないようなことで自軍の優位を保つことができる⇒其れがメジャーではできない。今回ロスター枠というのを色々と調べていましたが、その結果26の枠から40枠までの14選手は殆ど投手であることが分かりました。

 


26人枠⇒アクティブ・ロスター。試合に出れる選手の事。
40人枠⇒40人ロスター。アクティブと行き来する選手


40-26は14人なので結構幅があると思ってましたけど、実際にはこの14人はほぼピッチャーなので、野手がアクティブに残るには相当厳しいです。レギュラー枠はDH含めて9人しかいないってことは誰でも分かると思うけど、其れ以外にたった4人なんて!

 

レギュラー枠9人(DH含む)
控え捕手⇒1人
ユーティリティ枠⇒1人
控え内野手⇒1人
控え外野手⇒1人


たったこれだけ。メジャーはどこでもキャッチャー2人体制なのでそれで10人埋まる。其れ以外にユーティリティ枠といってどこでも守れる選手が最低でも1人は要る。これで11人が埋まる。あと2人は内野のサブと外野のサブが1人ずつ。其れだけで13人全埋まりますよ。今回LADはキャッチャーのラッシングを上にあげてバーンズをリリースし、内野のキム・ヘソンを残したためにクリス・テイラーをリリースした訳ですが誰かを上げると誰かがDFAになる。そして我がドジャースにはもうひとり上にあげたい選手がいるんですよ。その人の名は遊撃手のアレックス・フリーランド。フリーランドを昇格させると、マックス・マンシーかミゲル・ロハスのどちらかがDFAになってしまいます。


フリーランドの専門はショートだけど、多分サードをやらせるつもり。


となるとマンシー放出の危機。


(1)DH枠⇒ここは100%大谷翔平で埋まるのでもはや聖域。
(2)1塁枠⇒フィリーマンの聖域。怪我したらキケが守る。
(3)遊撃手枠⇒ベッツの聖域。ベッツがライト守ればフリーランド。
(4)捕手枠⇒スミスメイン。ラッシングサブ。

(5)二塁手枠⇒キムとエドマンいずれか
エドマンは左投手に対して長打力が抜群だし、守備と走塁のセンスもある。バントが上手いのでここ1番での小細工ができる唯一の選手だから絶対に外せない。エドマンとキムは守備位置も被るし、役割も被る。キム・ヘソンの脚力は何物にも代え難いほどの魅力があるしバットコントロールも上手いので外せない。エドマンが2塁ならキムはセンター。エドマンがセンターならキムは2塁。

(6)三塁手枠⇒フリーランドメイン。マンシーかロハスサブ。
サード、ショート、セカンドを守れるロハスを残すんではないかと思うけど、ここに新しい選手を育てようとしていることは明らか。マンシーに衰えが目立つのとマンシーがいなくても大谷、ベッツ、フリーマン、テオスカー、スミスがホームラン打てるのでマンシーの役割が薄れてきたように思う。フリーランドまだ観てない選手だけど若返りを図るためにもここは入替え

(7)中堅手枠⇒パヘスかエドマンかキム・ヘソン。エドマン、キムがセンターを守ればパヘスがライトでテオスカーがレフト。パヘスは若返りを図るために絶対に外せない。肩が強くて守備範囲も広い。走塁に難はあるけど打撃と守備総合的に見て彼を外野手として育てるつもり。

(8)右翼手⇒パヘスかテオスカー
テオスカー・ヘルナンデスの打撃力は云うまでもないけれど、彼は案外足も速くて守備も上手い。肩は強くないけど送球のコントロールが抜群なのでライトかレフトには必ずテオスカーが居座る。

(9)左翼手⇒テオスカーかコンフォート
テオスカーがレフトを守る時はコンフォートは外野の控えに回る。外野はエドマン(キム)、テオスカー、パヘスの3人がレギュラーでコンフォートは4人目の選手。


こうなるとドジャースの野手ロスター13人はほぼ埋まってる。今のMLB30球団で最も勝ち取り難いポジションがLADの野手ロスターではないかと思うけど、その理由はドジャースが強豪球団というだけでなく、このチームのDHには大谷選手がいるから。他のチームならDHの独占はないので多少は入り込める「隙間」があるけどドジャースに関してはほぼ隙間なし。

 

 

本日はオースティン・バーンズの解雇。クリス・テイラーの解雇。其れに加えてエンゼルスに3連敗したということで悲しみに暮れる心情を記事にしようというのが始まりだったけど。其れを考えているうちに、26ロスター、40ロスターを勉強することになりこのようなことに気が付きました。26人の外側にある残りの14枠はほぼピッチャーで占められているという事を知り野手がメジャーのアクティブ・ロスターに残る為にはメチャメチャ高いハードルがあるんやなあってことが分かり唖然。だからこれまでもロサンゼルス・ドジャースに入団した日本人選手には野手があんまりいないってこと。

 

野手13人⇒ほぼレギュラー
投手13人⇒主力
投手14人⇒控え投手と怪我人


これがアクティブ・ロスターと40人枠の実態。


何故中村紀がドジャースで全く相手にされなかったのかとか、筒香があっという間に消えたのかも分かる。メジャー・リーグの野手アクティブ・ロスターは熾烈な競争で生き残りをかけて戦っている。松井秀喜がNYYに行って向こうの投手に対応できなかった時にホームランバッターを捨ててコンタクトに徹しようとしたのかも分かる。今になってみれば日本人野手が向こうにいっても通用しない理由が分かる。2026年には村上宗降がポスティング・システムにより海外挑戦をするらしいですが、今日みたいなロジックをつき詰めると、彼がドジャースのアクティブ・ロスターを勝ち取るのはほぼ不可能だな。LADに入団する可能性は1%もないって事が分かります。上のフィールド画像を見て、村上選手が中に入り込む余地ってありますか?


There is no room for Munetaka Murakami,LAD active roster.


There is NO roomですよ。入り込む余地は全くないですね。

 

野手のアクティブ・ロスター入りは非常にハードルが高いって事がよく分かると思います。かくいう大谷選手だって今は最強のDHヒッターですがそのうち打てなくなる時はくる。30歳から39歳までの10年契約ですが全く打てなくなったら球団としては残りの給料は支払うけど選手として支配下には置かないというDFAという措置を取る。お金よりもロスター枠をひとつ開けることの方が重要だと判断したら球団はそうします。だから大谷選手といえどもこの先安泰ではないし、打てなくなったら。投げれなくなったら。走れなくなったらお払い箱ってこともある訳で、くれぐれも今のうちに体を健康に保って怪我なく30歳代の後半を迎えて欲しいです。彼が通用しなくなる姿は観たくないし、そうなる前に身を引くだろうけど、そうなることが起きないように35歳になってもホームラン王を取っている選手でいて欲しい。大谷選手くらい天辺を登りつめたらそんなことないやろって思ってるかもしれませんが、大谷選手ご自身も超スーパースターをDFAに追い込んでますから何が起きるか分からない。


2021年の5月。大谷選手が二刀流選手として大ブレークの予感を感じさせていた頃、彼はひとりの大物スラッガーを窓際に追いやることになりました。この時は1塁にジャレッド・ウォルシュを使いかったからの措置ですが

 

ウォルシュが1塁に定着し
大谷選手がDHを独占したから

 

アルバート・プホルスは居場所を失いDFAとなりました。同年同月LADが彼を拾いましたけど、翌年古巣のセントルイスと1年契約を結びキャリアの最終年を過ごして引退。丁度700号ホームランを打って引退したけど、プホルスでさえ30歳代の後半にはDFAになるのだから推して知るべし。大谷選手だってDFAにならないとは限らないし、メジャーの野手だけの13人枠ってのは本当に熾烈な過当競争ですね。そこに残れる日本人選手が出てくるのか否か?興味深い。


頑張れ村上選手。ドジャース以外の球団でね。

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