ファイター
マルホン工業
| 発表時期 |
1986年
秋
|
|---|---|
| 種別 | その他 |
| 玉貸機 |
現金機
|
| 賞球数 | オール13 |
『パラレル』のヒットを受けて、マルホン工業からは、その後も昭和61年発表の『プリズム』や平成元年発表の『キャラバン』といった似た役物の仕組みを持った機種が多く発表されている。この『ファイター』もその仲間だ。
本機は、左右落としに入ると盤面最下部にあるアタッカーが約0.3秒開くようになっている。当然、一発台としての稼働を見込んでのゲーム性であるから、メインとなるのは役物下チャッカーへの入賞で、ここに入れば約10秒(10カウント)アタッカーが開く。そして、役物下チャッカーに入賞させるためには、その上にある役物への入賞が必須になる。
天下への入賞が大当たりのポイントになる一発台。もっとも、初期稼働においては準一発台的に運用されていたホールもあった。『パラレル』同様、大当たりとパンクを繰り返す「権利モノ的」なゲーム性でも十分に楽しめたのだ。
まずは天下への入賞を目指す。ここでピースをしているお姉さんの入賞口に入ったら残念賞。お姉さんを避けてその左右に入ると、アタッカー扉がパタッと開く。そのことによってアタッカー扉左右からヘソチャッカーへの道が開通する。一発台仕様ならこれで大当たり、打ち止めまで一直線となる。
完全一発台仕様(ピースをしているお姉さんの入賞口を詰め物でふさぐ)ならストロークを変えることなく役物下チャッカー入賞→アタッカー開放で出玉を稼いでいく。そうでないなら釘調整にもよるが、主に盤面右側を狙ったストロークで役物下チャッカー入賞を狙う。
一発台の作り方を考える
一発台、特にマルホン工業の一発台に共通することだが、通常時の賞球をなるべく減らし、パンクを防ぐためにはかなり釘を曲げなければならず、見た目があまり美しくないのが欠点だが、逆の観点から述べるなら、それも芸術、といったら褒めすぎか。
パンクを防ぐために極端に曲げられた釘や、絶対入賞させないために完全にふさがれた入賞口などを見ると、ゲージ構成を考える時点でもう1本釘を打っておけばいいのに、と思うこともしばしばだったけれど、それをすると…うん、わかります。
デジパチの+α部分への玉の流れを作る釘調整などでも見た目が美しくない機種は、当時多かった。ただ、パチンコ雑誌編集者としては、ほぼ直角に打たれた釘を見て、一発台として稼働させる際の理想的な釘調整や+αへの綺麗な道筋(釘調整)を考えるのは楽しいことだった。そして、思いもつかない玉の流れで出玉を稼ぐような一発台などに遭遇すると、人間の英知って素晴らしいなあと心の底から思ったものである。



