呪縛との戦い

12/23にAKBでまぐれ当たりをしたおかげで、今月の収支がチャラになりました。そこで私は2018年の収支を精算することを決めました。正確には12/24をもって2018年の遊技活動を終了したことになります。従って年末に遊技した実績は2019年の年間収支に計上いたします。1年間をどこで区切るかだけのお話。自分にとって都合の良いところで〆ればいいでしょう。年末と年始どちらが勝ち易いかを比較すると、年末に分があるように思いますが、どうせならプラスから年が始まった方が気が楽なので、年末に勝てる自信がある人はこの方法をお勧めします。年の瀬が押し迫ると、2018年の勝ち負けがどっちにぶれようが殆ど意味がないので、早く来年に気持ちを切り替えた方が良いでしょう。大事なのは2019年のスタートダッシュです。

 

2015年に初めて放送された下町ロケットを見て、物つくりの真摯な姿に感銘を受けたのですが、その時私自身の開発体験というものを書きました。アウト計数ボックスにかかわったお話ですね。今でもその時私が手がけたアウトボックスがこの世で一番だと思ってるし、それを利用されているパチンコホールさんは幸せ者だよなあと勝手に解釈している次第です。現職では直接開発にはかかわっておりませんが、その時ゼブラのSARASA CLIPに刻印されている色は全て私が手掛けたものだとも書きました。そのサラサボールペンの製造ラインが軌道に乗り始めたようであります。0.3,0.4,0.5,0.7,1.0mmの線太さ毎に刻印する色を変えているのですが、このところその受注量が劇的なるまでに増えております。なんでサラサクリップのことを書くかといえば、この製品が今では非常に珍しいメイド・イン・ジャパンだからであります。日本国内で発売されているボールペンやその他文房具は殆どが東南アジアを主体とする海外生産です。トンボも三菱もパイロットも海外生産。だからサラサクリップのように日本国内で作られているボールペンは貴重ですね。希少価値の高いメイド・イン・ジャパンの良さを存分に味わっていただきたいものです。

 

人間は誰でもひとつくらいは秀でた能力があるといわれます。何にも取り柄がない自分ですが、ひとつだけ可能性があるとすれば、それは色彩感覚ではないでしょうか。幼少期から絵を描くことが好きだった私は、小学校に入学すると、突然開花して水彩画に目覚めます。小学1年から6年まで毎年クラスの代表として私が書いた絵は展覧会に出品されました。デッサンが得意だったわけでもないのに、絵がお上手と評価された原因は独特な色使いにありました。その時経験した色彩感覚が今の仕事に生かされてるのかもしれません。色を合わせるという作業は専門用語でCCM計算と呼ばれます。コンピューターカラーマッチングですね。あらかじめ複数諧調で作った色を機械に登録しておいてCCM計算を行うと色の配合が表示されます。私はこれを自分の目と脳で計算します。どんな色でも構いませんが、対象となるものの色を見ると、私はそれと同じ色を作るための配合が頭の中にぱっと思い浮かぶのです。簡単に言えば赤と青を足すと紫になるってことですけど、実際のインクでは透過度がかなり低いので赤と青を足しても紫にはなりません。CMYカラープロファイルを作るための基礎知識に付け加えて、顔料が持っている隠蔽力を総合して考える力が要求されます。  


色の3大要素  
明度  
彩度  
色相(色合い)  


打者の能力を判断するときに、打率、打点、本塁打という数字が用いられますが、色を客観的に判断するときに使われる基準は明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)、色相(色合い)です。この3つの要素で色は決まるしそこには濃度とか輝度という基準はありません。リンゴは何故赤く見えるのですか?リンゴは元々赤い色をしてるのですか?パチンコの玉は元々銀色の身をまとっているのですか?それは違います。色は物質に固有するもではありません。対象物に光を当てた時に、反射された波長の長さを人間の目と脳が特定の色に置き換えているだけです。反射された波長域が短いと紫に見えるし、長いと赤に見える。可視光線は380nm~780nmで380付近が紫でそれよりも短いと紫外線と呼ばれます。780付近が赤色でそれよりも長いと赤外線と呼ばれます。紫外線も赤外線も人間の目には見えません。紫外線の波長はかなり短いので体に悪いというのはよくわかります。波長が短いほど力学的エネルギーが大きくなるから人間の体を焼いてしまうのです。380~780nmの波長域を色に置き換えているとはいっても、これは太陽光をプリズムで分光したときのお話で実際にはもっと複雑です。白い物体は光源から放たれた光のうち、可視光線内の様々な波長域光を均等反射しているということですし、それ以外にも黒、ベージュ、グレイ、金、銀って考えたときにそれらを説明するのは気が遠くなりそうなのでここでは割愛します。従って色ってなんだろうって考えたとき結構奥が深いです。このようにして作ったものの一例がサラサクリップの刻印ですが、太さの違いを識別するために作った4色の色(橙、緑、黄、紫)が、世の中に出回っていると考えただけでもゾクゾクっとしましね。物つくりにかかわっているということは、誰かのお役に立ってるということ。パチンコ機の開発にかかわった人間も同じ思いを共有しているはず。遊技機が市場に出回ったのち、遊技した人間の声は貴重ですしその言葉に勇気つけられて開発のモチベーションが向上するでしょう。

 

下町ロケットをみているときにグサっと刺さった言葉がありました。

 

私はハタチ頃からパチンコに取り付かれ、それ以降は一時的に3年間のブランクがあったとはいうものの、ほぼパチンコ一筋の人生だったと思います。途中で何度もパチスロへの転身を試みておりますが、未だにその扉は開かれず彷徨っています。実働年数が30年以上経過したので、パチンコでの累積収入は莫大な金額になるのですが、私はパチンコが上手かったとは思っていないです。もし他人よりも抜きん出たものがあったとすれば、それはヒトの何十倍も失敗を積み重ねてきたということでしょうね。昔のデジパチは50/K位回る台があったということは何度か書いてきました。50は稀でしたが40~45程度なら履いて捨てるほどあった時代。その時代に私が何を考えたかというと、本当にメーカーが公表している大当たり確率は正しいのか?仮に大当たり確率が公表値通りならば、確率のバラツキはどれくらいなのか?パチンコに波は存在するのか?波があるのなら逆張りの発想の方が良いのか、それとも順張りの発想の方が良いのか?出玉規制があった頃のお話で、当時は2000発ドノーマル機。おまけチャッカーで玉は増えたけど、連チャンはないので1/200の確率1本勝負でした。ラッキーナンバー絵柄は滅多に引けなかったので、ほぼ1回交換みたいなもんです。水日のたんびに財布にはきっかり7万円入れて出かけました。何で7万円かというと、1日に3000回転回して一度も大当たりしなかったら7万円使うから。常に最悪の事態を想定しながらのパチンコです。

 

7万円がなくなるってことは一度もありませんでした。然しながら1/200で毎回3000回の抽選ですから、平均では15回当たるはずなんですけども、勝つときは30回当たるし、負けるときは5~7回しか当たらない。まあ5回っていうのは極稀でしたけど、7回しか当たらないっていうことは結構ありましたね。エキサイトマージャンを例にとると、3,7,發,中で当たるとラッキーナンバーなんですけど、負けるときはこれが引けない。パチンコで勝つ時は早めにラッキー引いて楽勝みたいになるけれど、負けるときは1,2,8,9ばっかり。發中を引きたくてどこまでも追っかけていったけど何回やっても1,2,8,9でしか当たらない。        

 


毎回3000回転打つんで、投資金額は常に7万円。        
5回当たると70000-(2300*5*2.5)で4万円のマイナス        
7回当たると70000-(2300*7*2.5)で3万円のマイナス    
    

 

43~45/K位回ると負けても3万~4万円までなんですね。ですが一度そのような台を見つけると、嵌っても嵌っても毎週、水曜日と日曜日のたんびにその台を追い続け、その台が爆裂するまでやり続けました。私は誰よりもパチンコ台の嵌りを経験してるのかもしれません。このときに思ったのが、確率のバラツキは1日単位では確率の2倍から1/2までの範疇が多い。これを1日ではなくて10000回転くらいまで広げてみても、やっぱり2倍から1/2までの範囲に渡っている。つまりパチスロを1日に1万回転抽選したとしても上と下では4倍の差が付くことになる。設定1が設定6を凌駕するなんてのは当たり前で、これは決して事故、誤爆なんかじゃない。設1でも確率の2倍当たれば、設6の額面当たりなんて目じゃありません。


メーカーが発表している大当たり確率は正しいと思いました。


確率のバラツキは3000回サンプル~1万回サンプルまでの範疇では、2倍から1/2ということが分かりました。この数字はエキサイト麻雀に限らず、ファンキーセブン、コスモⅡ、その他どの機械を打っても同じようなバラツキだったので、1/200~1/225という確率の信憑性はこのバラツキ程度を見て判断できました。2倍から1/2が全然異なる数字をもたらしたら疑う余地ありですがそうではなかったということです。然しながら嵌りに捕まってから爆裂するまでの過程には法則性や規則性は発見できませんでしたね。ズコンと嵌ってからずっとその台だけを追い続けるわけですが、台がいつ当たり始めるかは全くアットランダム。この手の検証はこれまでに50回以上は行ってますけど、当たりに結びつく前兆みたいなものはなかったですね。従ってこの間で得たものは


パチンコ台に波は存在しない。  
逆張りの発想は無意味である。  
順張りの発想も無意味である。  

 


トーマス・ベイズ(英国)  
ベイズの定理  
統計的推定  


18世紀にイギリスのトーマス・ベイズという統計学者が、過去の経験を生かして将来の結果を予測するという学問を発表しました。これは同様に確からしいという条件で得た膨大な標本を元に、標準偏差を計算すると大まかな確率結果が予測できるというものでした。確率は独立事象だから、統計結果は将来の確率になんら影響を及ぼさないということで、「過去履歴」は一切無視するという人が沢山おられますが、このような人達はトーマス・ベイスとか統計学的推定という学問を知らぬのでしょうね。確率が独立事象というのは事実ですが、統計的数値の標本は将来の予測に役立つという事実を知っていればそのような発言はしないはずです。例えば大当たり確率が1/200の遊技台で1日に3000回転抽選したとすると、大当たりの平均値は15回ですが、とある台の過去履歴を集積して標準偏差を計算したときに次のような結果をもたらしたとします。

 

確率0.95 18≪θ≪22 (θは大当たり回数)
平均値から離れた数値が偏差で偏差2乗の平方根が標準偏差


 分布


一般的にはθは確率のことなので、1/166≪θ≪1/136と表現するのですが、そうすると分かり難いのでθは大当たり回数で表現しました。確率0.95というのは正規分布表を描いたとき、平均μから標準偏差σの±1.96倍の区間内にある範疇のこと。確率というよりは信頼区間という感じですね。平均値は15回なので、常に大当たり期待回数は15回ですが、この台の過去に大当たりした回数分布を元にして母平均を推定すると、確率95%で18回以上22回以下という結果がでました。このような台があれば勝つでしょうね。同じ確率で得た標本を元に将来を予測するという考え方は、統計的推定と呼ばれますが、この考え方の代表格がベイズの定理であり、実社会でも使われています。私はベイズの定理が正しいのか否か、パチンコに通用するか否かを確かめたいのです。

 


昔スーパーコンビという一発台で21回連続V入賞をはずしたということを書いたと思います。このときは本当に悔しかったです。V入賞率が本当に1/3なのか否か?ネカセの影響によってV入賞率が変化するのか否か?普通の人間なら、ただそれについて疑問に思うだけのことですが私は違いました。実際にスーパーコンビのクルーンとほぼ同じものを手つくりして再現しようと思いました。パチンコが好きな人とか、パチスロが好きな人はよく機械を購入して家で検証するらしいです。機械は購入すれば家に届くでしょうけど、私はそれを自分の手で作ってみようと思ったことが他の人たちとは異なるところです。マグカップの上にそれにぴったり合う大きさの器を探してきて均等に11mmの大きさを3つあけます。11mmでは玉が通るかどうかのぎりぎりなのでヤスリで削りながら玉が楽に通過する程度の大きさを作りました。勿論手作りですから3つ穴の大きさと均等性の精度には疑問がありますが、見た目にはほぼ均等というレベルまで仕上げました。この器に玉を落下させる為のレールを取り付けて完成です。コンビゲージをくぐり抜けた玉がレールに沿って落ちてきてクルクル回りだすのと同じ構造を作りました。

 

ほぼ1/3でしたね。

 

ネカセなし、ネカセありの両方で来る日も来る日もテストを繰り返し、入賞率を記録し続けましたが、その結果はどちらもほぼ1/3の割合で入賞。ネカセの有り無しは殆ど影響しませんでした。所詮手作りのクルーンなのでそれが1/3と言い切れるかどうかの疑問はありますが、自分としては納得しました。実際の遊技機ではゲージをくぐるときのスピードが速いときもあれば遅いときもある。飛び込みスピードの違いがもたらす入賞率の変化はこのテストでは検証できません。従ってネカセ以外の要因で入賞率は変わるんだろうということしか分からなかったのですが、検証を行ったことに意義があると思い自分では納得しました。こうした体験は、自分自身が失敗したことによるもの。痛い目に遭ったから様々なテスト検証を試みるのですが、誰よりも失敗を重ねてきたという言い分は強ち間違っていないと思います。スーパーコンビの一件では、誰しも悔しい思いをしたことがあるでしょうが、それで実際のクルーンを作ろうと思う人が何人いるでしょうか?実機を買うことはあっても役物を手作りする人はあまりいないでしょう。

 

失敗を恐れている。

 

こうして若い頃からパチンコの面白さに夢中になり、玉の弾かれ方に興味津々だったけど、相当失敗も多かったように思います。昔は目新しい台が出れば、すぐに飛びついて良い思いも悪い思いも経験したものでしたが、歳を重ねるにつれ段々と冒険をしなくなったように思います。特にこの6年間はその傾向が強いのですが、それはやっぱり自分の活動内容を公開してるから。私の中にも少しばかりの自尊心があるのでしょうね。いっちょ前に負けた実践記録を公開するのが嫌だからパチンコが小さくなっているということ。自分ではあまり意識していなかったけど失敗を恐れている。デジパチでは、電サポキングを避けてヘソキングしか打たないのはその典型。2016年からずっと北斗無双を避けてきたのは、失敗を恐れているからではないでしょうか。パチンコビレッジという縛りがなければ、もっと伸び伸びとやってたはずで、、もしかしたらこの3年間は北斗無双に首っ丈だったかもしれません。アナログも長いこと避けてますね。デジパチなら釘の見方は簡単だし、サイトゼブンで回転率を知る方法もある。なんなら常連に回転率を聞いても良い。後ろでジャンプ釘に当たった玉の流れを見ただけでも分かる。専業が連日高稼働した台を狙っていくのもひとつの手段だ。デジパチの場合は、回転率を知る方法が無数にあるので試し打ちなんて必要ない。1日1台を守り抜くことは割と簡単です。然しながらアナログの遊技機の場合は、実際に弾いてみて釘の形を覚える作業が必要になってくるし、V入賞率は何台かを試さないと分からない。色々と試行錯誤しながらの遊技ですから1日に1台と限定するのは理にかなっておりません。ヒト様に1日1台をやれと推奨しておきながら、私自身がそれを破るのは如何なものかと思うのでずっとアナログは避けていました。


元々は失敗を好んで行う人間だったのに、いつの間にか失敗を恐れるようになっちまった。

 

下町ロケットの放送を見ててハッと思いました。良いパチンコ打ちになりたいとは思わんけれど、ヒトの何倍も失敗を積み重ねてきたから今まで勝って来れたのだと思う。それを見失っちゃあおしまいですね。パチンコビレッジで実践記録を公開している限り、呪縛との戦いはこれからも続きそうですが、来年は勝ち負けを気にしないで伸び伸びとやりたいなあ。因みに勝ち負けに関しては、ウソを書けば気が楽になるでしょうが、そんなことしたところで見る人が見ればすぐに分かります。幼稚なことはしないと心に決めております。

 


昔を思い出しながら、のんびりとやっていきたいです。

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