ダイイチの昭和橋店が閉店致しました。従業員の皆さま長い間お疲れさまでした。

この店は既に３年くらい前から、末期癌を患いあとは余命を待つばかりの状態でしたので、此度の閉店は驚きもしないし悲しみもない。もうずっと前からこの日が来ることを予想しながらの毎日でしたから直営店がなくなったという悲壮感はなく、むしろ足かせを整理したという点では評価に値すると思うのですが、マジでずっと前からダイイチの直営は多すぎるから減らせと説いてきた通り。七宝と昭和橋は再生不可能だから見限るのはOK牧場。残った畑江通と岩塚に資源を集中させて頂きたいです。三洋の直営店にも言えることですが、直営営業はスロットの利益が取りにくいので今のご時世は店が利益を上げるのは難しいです。パチに軸足を乗せるやり方で成功してる店は限られてると思うし、ましてや昭和橋店につきましては過去の忌まわしい「悪名」が名古屋市民の間に沁みついているため信頼回復は難しかったと思います。

昭和橋=ボッタクリ店

こういうイメージが定着してしまうと挽回は非常に困難。500メートル離れた場所にニューギンの直営店がありますが、こちらは20年間以上もの間良心的な営業を貫いておりますので、この店をこよなく愛する地元民の情熱は半端ないです。私の古い日記を読み返すと1996年の春先にニューシルバーからパーラーニューギンに店舗名を変更してグランドオープン。その日から25年間はずっと繁盛店として営業を続けているのでこれまでに蓄積したお客様との太いパイプは三洋にも、ダイイチにもなかった点でここが巧拙の分かれ道。もうひとつの理由は夜のお客さんが非常に多いことであります。中川区は何故か仕事帰りのパチ客が昔から多い。ちょっと前のユリア様へのコメント返しで、終わりの2時間はお店が圧倒的に有利な時間と書きました。その通り、夜のお客が多い店はなかなか潰れないのですよ。パチンコ三洋は2014年の時点で、既に夜客は閑古鳥。3時から4時までは非常に繁盛していた同店でしたが5時になるとぱったりと客がいなくなり閉店状態。あとに残ったのはスッポンと、寝ずの甚八と私と軍団とパチプロさんだけ。当時から夜の利益が取れていなかった店が、全体に客は減り、200台しかないパチンコ島の内160台を1パチに変更してしまうと取れる利益も取れません。夜のお客が多いってことは、パチンコホールにとって絶対的な強みになるわけですよ。それほどまでに夜の9時から11時までは店が儲かる時間です。ダイイチの昭和橋店につきましては、ビレッジつながりでは2015年の天才バカボンライトミドル先行導入。2018年おそ松さん先行導入。2019年浜崎あゆみ先行導入という思いでがありますが、私が最も記憶に残ってるのは2006年末。新規オープンに近い感じでグランドオープンした時に打った海物語ですかね。当時は中川近辺に住んでいたパチプロのSさんと海の島で並び打ちしてたってのが良い思い出ですが、その翌日も同じ台を遊技した時のことが頭から離れません。

途中までよく当たってたんですがね。7/1458だから1/200くらいのペースで当たっておりましてもう一声かかると楽勝だってところから1362回転当たらず全のまれ。楽勝ムードは吹っ飛んで4500円のマイナスで泣く泣く帰ったのですが、問題はこの後次に座ったお客様が10連チャンしました。あーあ追い切れなかったよの1日ですが、当時としてはスタート7.36はこの店にしては破格。これだけ回った時期は多分この頃だけだとおもうんですけど2006年ていうのはダイイチさんでもこれくらい回してくれたのですね。思い出深いです。

さて本題。

私が今の会社に来てもう15年くらい経過するんですけどその間に理解できない「ナナ不思議」っていうのがありまして、本日はそのひとつを例にとって話を進めてまいります。シリコンゴムを印刷ヘッドとして凹版転写することで、あらゆる3D形状のワークに転写してきたってのが今の会社の有様。トヨタ自動車だろうが本田技研だろうが資生堂だろうが、国内の超一流企業でさえも時には我々の指示に従属せねばならんこともあるってのが醍醐味だったし、強みでもあるんですけどその大きな要因のひとつはシリコンゴムを成形するノウハウです。

プラスチックのメス型を作りそこにRTゴムを流し込むわけですが、このメス型を完成させるときの手順に「オカルティ」が存在します。メス型の四隅に当る部分は必ず、液体状の樹脂が硬化する過程で隆起してしまうので脱形後にこの突起部分を何かで削り落とさねばなりません。所謂バリトリって奴ですね。そしてこのバリを取る作業で意見が分かれてしまうのですが、方法としては

(1)ハンド工具のヤスリを使う。
(2)電動工具の両頭グラインダーかジスクグラインダーを使う。

まあ手で削るのか、機械で削るのかのどちらかなんですけど一般的には電動工具を使いますよね。軟らかい素材なら兎も角、カチンカチンに固まった固体状が相手なので、ヤスリで削ってたら1時間でも2時間でもかかってしまいます。だから私はいっつも両頭グランダーを使うんですけど、これに異を唱える輩がおるんですわ。機械を使ってはならない。ヤスリで磨かないと上手くいかんのだわ！

何で？

何で上手くいかないの？って聞いたところ

水平が狂うから。

この会社には私以外にAさんとBさんとCさんがおりました。過去形なのはAさんは既に退社しちゃったから。BさんはAさんのことが嫌いです。ある日のこと、BさんはCさんが流し込んでる様子を見て、「お前何でそんなに型がガタガタするんや」と怒鳴り始めて追求したところ、このメス型はAさんが作ったもの。彼は最後の仕上げに両頭グラインダーを使ってバリ取り作業を行ったということを聞いて疑問に感じました。オレがヤスリで削っていたときはそのような問題は起きなかった。Aさんが両頭グランダーを使ってバリ取り作業を行ったときに

「何かをしくじったんだ」。

削りすぎたのか、他の理由か。Aさんは会社でも不器用さには右に出るものがいないほどの輩なので、Bさんは「きっとAさんが何かをしくじったからこうなったんや」と信じて疑いません。ただでさえAのことが大嫌いなのに、Aが作ったメス型が失敗作品であったがために彼はヤスリを使って人間の手作業でやると失敗がないけれど、機械に任せて削ると失敗が起きやすい。このような結論に至ったのであります。大嫌いなAが作ったメス型がまともな商品ならまだしも、失敗作だったから。そのたったひとつの失敗例を見て、Aの行動手順が全て間違いなのだと思い込むようになっていくのであります。私はたったひとつの例で全てを判断するのは良くないから考え直すように説得を試みたのですがいう事を聞いてくれません。

プラスチックの容器にメス型の母型となるオスを敷いて、その上から材料(液体)を流し込みます。3日間くらい放置すると硬化して固体状になるけれどその過程で型材のてっぺん外周部分が隆起します。これを脱形した後に削るんですが、削るのはあくまでも隆起した外周部だけ。A-Bの間は何もしないからバリをヤスリで削ろうが、両頭グランダーで削ろうがこの面の平滑性には全く関係ないんです。Aさんが作った母型が失敗作だったというのなら、それはA'-B'間の水平が狂ってたということ。水平が出てない机の上で作業すると、当然A-Bの水平も出てないからガタガタいいますよ。メス型にシリコンを入れるときはこれをひっくり返して作業します。

もし仮にA'-B'間が水平であれば、ヤスリでバリ取りをしようが両頭グラインダーでバリ取りをしようがA-Bの平滑性には無関係ですよね。にもかかわらずBさんは「ヤスリはOK」だけど、「両頭グラインダーは×」という結論に達したのであります。驚いたことにこの話をCさんまで真に受けて今ではBさんもCさんもバリ取りするときはヤスリでしか削ってはいけないと思い込んでいます。Bさんは私と同い年だからもう説得は無理かもしんねえけどCさんはまだ32歳です。この手のロジックに年齢はあんまり関係ないのかも知れません。

バリ取りは
(1)ヤスリで削れば1時間以上かかる。
(2)両頭グラインダーを使えば2分で終わる。

貴方ならどっちで作業しますか？

ヤスリで作業するって言った人は、全く訳が分からないよ！

こういうことをまともに考えられない人は、日本中に一定数はいるものと思います。少なくとも私の周りには私とAさん、Bさん、Cさんの4人のうち2人はヤスリでしか駄目だというのでかなりの確率でオカルティなのです。こういう人達がパチンコの世界に来れば、まず間違いなくオカルティな言葉を連発するでしょうし、パチンコホールから見れば良いカモになってしまうでしょう。

Bさん、Cさんに論理的な思考能力がないとは思わないけれど、それ以上にオカルティな考えが頭を支配してそれが正しいと思い込んでしまう。こういう人達を言葉で説得しようとしてもなかなか難しいから、貴方は一度私が書いてる記事を読んではどう？ってお誘いしたのが美容室の兄ちゃんとの付き合い。毎週文章でじっくりじっくり言い聞かせると、頭の中も多少は変化するだろうって思って始めた二人三脚でしたがあれから5年が経過して彼も随分と変わったよ。

彼のように変われる人間もいれば
Bさん、Cさんのように変われない人間もいる。
 

否、厳密にいえばCさんは生まれ変われるかもしんないけど、Bさんは絶対に無理。もう年を取り過ぎている。変わるなら20代、30代のうちに何とかしないと。

貴方笑ってるけど、パチンコで負け続けてる人の何割かは今日のお話でヤスリでしか削らない派ですよ。いつヤスリ派になるかは分からないけれど、この広い日本には必ず一定数は「ヤスリ派」がいます。

オカルティはこのようにして生まれるんだということを感じた1週間でした。そこから脱却できるかどうかは、貴方次第なのですが、自分ひとりの力で生まれ変わるのは至難の業。何のことはない。ヤスリでしか削らないことを知ったのも今日が初めて。その理由を聞いたのも今日が初めて。だから説得を試みたというのも今日が初めてなんですけど、Bさんの性格を考えればすぐに無理だと思ったの。

オカルティは多分一生変われない。