Park Factor

野球に関する記事が増えてきて、あの記事いつ書いたっけなあって思う事ができてたためカテゴリーを見直しました。私が振り返りたいと思うような感情に駆られるのは数字に関することだけなので野球を物理と数学からみる記事だけを特別扱いすることにしました。殆どの読者様にとっては、このような配慮は無意味だと思うんですけど私にとって物理とか数学に関する記事はとても大切なことなので野球(物理と数学)というカテゴリーを追加しました。


振り返りたいと思ったのはパークファクターのことです。


この間BS-1を観てたら過去5年間で最も本塁打が出た球場はドジャースタジアムだそうです。アレっと思ったけど、この球場は2000年代の初めまでは本塁打が出にくい球場でした。ところが2020年以降はホームランの数が増えており、これに関してはベッツ、フリーマン、DJマルチネスが本塁打を量産するようになったってことと無関係ではないんでしょうけど2021年から今までに


(1)ドジャースタジアム⇒1074本
(2)グレイトアメリカン・ボールパーク⇒1050本
(3)ヤンキースタジアム⇒1034本









最下位はオラクルパーク⇒688本


でした。オラクルパークはドジャースタジアムの63.5%しかホームランが生まれていない。これは日頃からパークファクターを研究しオラクルホームラン出ずと痛感している私にとっては、さもありなん情報なのですがここまで差が付いてるとは思わなかったし、こういう情報を知ると大谷選手がLADとSFを天秤にかけた時にSFを選ばなかった理由もよく分かりますね。SFを選んでいれば恐らく大谷選手は年間40~45本塁打しか打てないと思いますね。因みに上述した最近5年間の本塁打数は、絶対的な数字の比較です。この数字が多いほど出易いのは確かでしょうけど、これだけではドジャースタジアムが1番ホームランが出易いにはならないと思います。その判断は絶対数だけではなくて相対的な比較が必要だからです。其れを相対的に比較した数字がパークファクターです。

 

パークファクターとは本拠地球場とそれ以外との相対比較です。


(本拠地球場での自軍本塁打数+本拠地球場での他軍本塁打数)÷試合数⇒A
(他球場での自軍本塁打数+他球場での他軍本塁打数)÷試合数⇒B
AをBで割った値がパークファクターです。

 

ドジャースタジアムのパークファクターを求めるならば、ドジャースタジアムでLADが放った本塁打と打たれた本塁打の数。つまりその試合で出た本塁打数を試合数で割った数字が分子です。其れに対して分母はというと、LADがロードに出て他球場で試合をした時、LADが放った本塁打と打たれた本塁打の数を試合数で割った数字となります。


ドジャースタジアムで81試合で200本の本塁打が出たとすると分子は200/81で2.47
ロードの試合81試合で160本の本塁打が出たとすると分母は160/81で1.98
2.47÷1.98⇒1.25がパークファクターです。


ロードのゲームが29球団均等割りじゃないのでやや公平性に欠けますが、現状パークファクターの考え方はこの通りです。本拠地で出たホームランの数に対して、他球場で出た数と比較して多いか少ないかを見る。多ければ1を超えるし、少なければ1を割る。

 


 

2021年は大谷選手のブレイクイヤー。覇者はブレーブスだったと思うけどこの年の1番はオリオール・パーク
 

 

2022年はアストロズ躍動の年。コレア、タッカー、アルバレス、アルトゥーベが本塁打を量産したからダイキン・パークの数字が高いけどこのように年単位ではかなり数字がぶれます。

 

 


2023年はテキサスがWS制覇。セミエン、シーガー、ガルシア、ローが打ちまくってグローブ・ライフのパークファクターが1番になっています。アトランタ・ブレーブスの250発打線もパークファクターに大きく貢献。

 

 

2024年は何故かペトコ・パークが2位。基本この球場はボールが飛ばないことで知られてるけど年単位で見ればこういう球場が2位に食い込むこともある。やはり5年位のスパンでみないとダメか。

 

 

 

5年間の成績をまとめてみると毎年成績上位の1位から5位辺りまでが、メジャーでホームランが出易い球場と考えて良いでしょう。
2025年の横の列が単純に毎年のパークファクターを足したもの。その右側の数字が5年間の平均値です。5年間の平均では

(1)ドジャースタジアム⇒1.26
(2)グレイト・アメリカン⇒1.23
(3)ヤンキースタジアム⇒1.18
(4)エンゼルスタジアム⇒1.13
(5)シチズンズ・バンク⇒1.13


やはりこの5球場ですか。こうしてみるとこの5年間の本塁打絶対数と相対数(パークファクター)がほぼ一致してるのが面白いですね。

(1)ドジャースタジアム⇒1074本
(2)グレイト・アメリカン⇒1050本
(3)ヤンキースタジアム⇒1034本


絶対数と相対数が一致しているのが笑えるけど、基本的に数字は「相対的」な指標でみるべきなのでパークファクター重視で良いと思います。これはホームラン王は年間本塁打数だけど、実質的な其れはホームラン率が1位の選手ってことで評価すべきという主張と似てる。ただし、野球の試合は試合数は同じ条件だから絶対数と相対数が一致してしまったのかも知れません。


ドジャースタジアムは中堅までの距離が短いのと、右中間、左中間の膨らみも少ないという大きさの条件と1年中雨が降らないという湿度条件が功を奏しての1位だと思う。グレイト・アメリカンは器が小さいことがパークファクターにつながってるし、ヤンキースタジムは右翼方向までの距離がメジャー最短クラスなのでライトスタンドへのホームラン量産がパークファクターにつながっている。エンゼルスタジアムもドジャースタジアム同様に1年中雨が降らないことが飛ぶことにつながってるけど、其れ以上に大きいのは2段階フェンスの扱いが変わったこと。確か松井秀喜がNYY⇒LAAに移籍した時はライト方向へのホームランは出難かったはず。其れは2段階フェンスの1番上、観客席まで届かないとホームランじゃなかったから出難かったけれど、この扱いが2018年から変わってる?と思う。2017年までエンゼル・スタジアムのパークファクターは1.00を割りこんでるけど2018年に急に良くなっている。この年にルールが変わって2段階フェンス、下のフェンスを越えればホームランという扱いになったんだと思う。

 

2018年というと大谷選手が入団した年


その年以降エンゼルスタジアムのパークファクターが高い数字を示してるので何かと恩恵を受けているわけ(無論投手としては不利だけど)。だからエンゼルスタジアム、ドジャースタジアムで本塁打を量産してきた彼の功績も少なからず割り引いて考える必要がある訳で数字の補正はやっぱり必要。彼がサンフランシスコに入っていたら40-45本しか打てないよ。ジャッジもシュワーバーもパークファクターが甘い球場で本塁打を量産しているってことも知っておかなくてはならない事実。


ジャッジはヤンキースタジアム
シュワーバーはシチズンズ・バンクパーク

 

パークファクターとは本拠地球場で出たHR総数(A)と、それ以外の29球場で出たHR総数(B)との比較。AがBよりも多ければ1を越えるし、少なければ1を割り込む。其れを30球場全てで計算されて統計的指標として記録されています。コロラドのクアーズ・フィールドが高地1600mで打球がよく飛ぶ、よくホームランが出る球場と言われること多々ありますが実際にクアーズ・フィールドはホームランが出易い球場ではありません。確かに打球は良く飛び良く伸びるけど、球場自体が大きいのでホームランはそんなに出てないんですね。2塁打、3塁打が出易い球場です。

 

反対にパークファクターが低いのは
(1)コーフマンスタジアム⇒カンサスシティ・ロイヤルズ
(2)コメリカ・パーク⇒デトロイト・タイガース
(3)オラクル・パーク⇒サンフランシスコ・ジャアンツ


日本人野手がホームランを期待されてこの3球場に行けばかなり辛いです。村上、岡本、佐藤の3選手は近い将来海を渡るかも知れないけれど、くれぐれも今日書いたような情報は頭に入れておくべし。其れを知ってて上記球団に入るとかなりの確率で痛い目に遭うと思う。実際にホームランバッターではないイ・ジョンフ様がジャイアンツに入ったけれど打球が飛ばなくて苦労しているのは周知の通り。打球が飛ばないという事はホームランになり難いだけでなく、安打も出難いことになるので然るべし。オラクル・パークは開場した時はパシフィック・ベルパーク。2000年に開場して25年が経過するけど、この球場を本拠地にして年間40本塁打以上打ったバーリー・ボンズただひとりだけ。厳しいですよ。

 

パークファクターの数字は毎年微妙に変わるからいつまでもこの記事の内容が新鮮ではないけれど、パークファクターという言葉の意味は忘れがちなので、私がいつでも振り返れるようにしたいと思って記事にしました。大抵の人には関係ないけれど、私はこういう数字の話が大好きな人間なのです。

 

7月が終わりました。という事はMLBは売り手と買い手に分かれた訳で、LADも買い手に回るはずでしたが〆てみると買い手には回らなかったようですね。これはキム・ヘソン、ラッシング、フリーランド辺りを出したくなかったというLAD幹部の気持ち表れ。ブルペンが足りない状況でもMIN、ATHの抑えを獲りに行かなかったという事はキム・ヘソン大事にされてる。クラーセがバクチで身動き取れなくなったためCLEとの交渉が上手くいかなかったという事情もあるにはあるけれど、LADはクローザーの獲得を本気で考えてなかったようです。放出されなかったプロスペクトの皆さん、頑張ってください。貴方方は期待されています。結局どうしようもないアウトマンと突然崩れるダスティン・メイだけを放出しトレードしただけの補強に終わりましたから一見すると地味補強。だけど僕はこれで良いと思ってる。キム・ヘソンとラッシングだけは絶対に出して欲しくなかったから大物投手の獲得はしなくて良かった。其れとは反対に打の補強とクローザーを獲得したのがサンディエゴ・パドレス。去年も大型補強でプロスペ放出し、今年もプロスペ大量に放出したのでこのチーム後2,3年したら崩壊する。一時的に強くなるのは勝手だが、先を見ない補強は去年もWS逃して苦しんだし、今年もWS獲れないようだと相当追い込まれるでしょう。カネで買うチャンピオンリングは長期ビジョンで考えると意味ないけど四の五の言っとれんSDの生みの苦しみが伝わってくる。


(1)サンディエゴ・パドレスSD
(2)ミルウォーキー・ブリュワーズMIL
(3)シアトル・マリナーズSEA


この3球団は今まで1度もワールド・シリーズに勝ったことがないので、悲願の初優勝に向けて命がけだけど、唯一MILだけは補強しなかったのは不気味。補強するカネがない、プロスペを出したくないのも分かるけど、補強しなくても今の戦力でワールド・シリーズを獲れると考えてるんだろうな。今年のミルウォーキー・ブリュワーズは脅威の的ですぞ。


ドジャースも0勝6敗だしね。


大谷選手が苦しんでます。ご本人が選んだ道だから苦しみは本意だと思いますが、今年の彼は少し意地になってるところがあるのがちょっと怖いです。もう30歳を過ぎた身体。肉体的な衰えは来てるはずなので、20代半ばのような二刀流はもう無理だと思う。ベーブ・ルースが投手をヤメタのも肉体的な疲れからだと聞いています。大谷選手にも肉体的な疲れが重くのしかかってるように感じてるこの頃。打撃にも悪影響を及ぼしてるのは間違いないでしょう。打率は急降下。7月は過去最低レベルの打率でした。そこで肉体的な疲れを吹き飛ばすが如く、高めの真っ直ぐをフルスイングしているように見えますがこれが悉く相手投手の術中に嵌ってる。特に左の変則投げには全く対応できてませんね。


(1)ギャレット・クロシェBOS
(2)クリス・セールATL
(3)デービッド・ピーターソンNYM
(4)ニコラス・ロドロCIN
(5)マット・ボイドCHC
(6)ヘスス・ルサルドPHI

 

この前ニコラス・ロドロとの対戦を観てましたけど完璧に抑え込まれました。相手が上だというのは観てて分かったけど、意地になってインコースのボール球、高めのボール球を振りに行くのでカウントを悪くして外の落ちる球は無理。外スラ、外カーブが外れながら落下すると打てるはずがないけど、その前のボール球を見送れば打てるチャンスが生まれる。クロシェ、セール、ロドロとはポスト対戦はないと思うけど、それ以外の3人とはポスト・シリーズで対戦する可能性大なのでヤバイっす。打てないっす。今年の大谷選手はかなり追い込まれましたね。

コメント

  1. 大谷好きより:

    核心の記事について。
    いやあ。お恥ずかしい。
    僕も早く核心の部分に触れられるよう記事読み返してます。
    大谷についてはまあ、今はどちらかというとダメな時期ですがキャッチャーフライとかファールフライとか悪いフライがある、且つ三振数が多かった時期が底だったと思いますね。
    今は最悪からは抜け出してるんじゃないでしょうか。
    まあ大谷は調整すぐしてきますし、ピッチャー大谷はバッチリ。
    あったかく見守りましょう。

    2025年8月9日 AM 9:34
  2. ゴーニィ より:

    僕の記事は数字をもっと注意深く見ないと無理ですよ。

    意味のないことは何ひとつ書いていないし、意味のない数字はひとつもないので数字の羅列を目を凝らして読み解いて下さい。

    大谷選手の打撃はよく分からんのですよ。

    所詮私等のレベルでは。BS1で新井さんの解説をじっくりと聞いています。恐らくは大谷選手の打撃を最も辛口で解説するのが彼。今のところ投手をやるようになって肉体的な負担が大きいと打てなくなるのは間違いないと思う。其れと極端なアッパースイングだから高めの真っすぐは空振り率が高いってこと。其れが打てるようになった時が絶好調なのでしょうね。

    2025年8月9日 PM 8:33

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