2025MLB

今年のMLBはほぼ全日程終わりました。明日が最後ですけど個人の打撃成績についてはほぼ決まったということで今年のMLBを振り返ってみたいと思います。毎年のように新しい星が生まれる。今までマイナーでやっていた選手。メジャーでも花開く手前の選手は星の数ほどいるけれど、今年に関しては何といってもカル・ローリー。今までも毎年30本くらいは打ってたけど今年の本塁打60はビックリ。アスレチックスのニック・カーツもまた驚きの数字でした。規定打席には到達しなかったけど、OPS1.000は凄かった。


その毎年のように新しい選手が出てくる中で

毎年のように同じ成績を残すのは至難の業です。


ここ最近は毎年のように大谷選手は本塁打王争いをしていますが、特にこの3年間はライバルとの厳しい戦いがあったと思います。

 

2023年アメリカン・リーグは
1位大谷翔平44本(LAA)
2位ルイス・ロベルト38本(CWS)
3位アーロン・ジャッジ37本(NYY)

2023年ナショナル・リーグは
1位マット・オルソン54本(ATL)
2位カイル・シュワーバー47本(PHI)

2024年アメリカン・リーグは
1位アーロン・ジャッジ58本(NYY)
2位ファン・ソト41本(NYY)

2024年ナショナル・リーグは
1位大谷翔平54本(LAD)
2位マルセル・オズナ39本(ATL)


2025年アメリカン・リーグは
1位カル・ローリー60本(SEA)
2位アーロン・ジャッジ53本(NYY)

2025年ナショナル・リーグは
1位カイル・シュワーバー56本(PHI)
2位大谷翔平54本(LAD)


こんな感じ。


 

 

2023年大谷選手は初めて本塁打王を獲得しましたが、シーズン中争ったのはホワイトソックスのルイス・ロベルト外野手。この年の8月に大谷選手は怪我の為9月まるまる欠場しましたから、ロベルトの追い上げは脅威だったし最後まで本塁打王になるのか、ならんのかハラハラした。だけどロベルトが輝いたのはこの年だけでそれ以降はさっぱりである。38本のあとは14本、14本と冴えないから。同じ年のナショナル・リーグはアトランタ・ブレーブスの上位打線が異常なほど本塁打を量産しこの年の本塁打王はマット・オルソン。前年の7月に大谷投手から2ランを放った選手だ。然しながらオルソンが良かったのはこの年だけで以降は29本、29本と冴えない。何で2023年には54本も打てたのか?分からんというくらい不振に陥っている。


2024年アメリカン・リーグはジャッジ独走だったけど、ナショナル・リーグは途中まではマルセル・オズナと三冠王を激しく争っていた。大谷39本の時オズナは37本。一時打率も打点もトップに立ってオズナが三冠王になるのかとさえ思ったほど。ところが途中からホームランが出なくなって、最終的には大谷54本、オズナ39本の圧勝だった。そのオズナも今年は打率0.233、本塁打21本と散々である。年齢的に衰えが来てるのか、今までのオズナとは別人みたいに打てなくなっている。


2025年のアメリカン・リーグは最初はジャッジの独走だったけど怪我で戦列を離れている間、ローリーが爆発した。このカル・ローリーという選手今年は60本も打ったけど、今までは年間30本程度の打者だから今年が異常なほど本塁打率が高くなっている。だから来年以降も本塁打を量産できるかどうかは分らない。未だ今年良かっただけという可能性は否定できない。ナショナル・リーグは大谷選手とシュワーバーとの一騎打ちだけど、シュワーバーとて過去の成績からすると今年が突出している。来年以降はどうなるのか読みにくい。来年はFAなので獲得に動く球団は頭を悩めるだろう。
 

 

こうしてみるとロベルト、ローリー、シュワーバーの3人はロマン砲ではないのか?


打率が0.230で本塁打を40本以上打てる選手はロマン砲だ。勿論ロマン砲の代名詞であるジョイ・ギャロほど顕著ではないけど、ローリー、シュワーバーはブンブン丸三振かホームランか?のイメージは拭えない。打率が0.280以上で毎年のように40本以上打ってるのは大谷とジャッジしかいない。だいたいホームランバッターはブンブン丸だから打率は残せない。ボール気味の球でもブンブンブンブン振り回すからコンタクト率は低くなる。コンタクト率が高くてホームランを量産できるのは限られたエリートだけだ。


ジョイ・ギャロ
アンソニー・サンタンデール
ユニジオ・スアレス


ロマン砲とエリートの中間にいるのがファン・ソトだろう。

 

今のMLBでホームランバッターと呼ばれる人達を比較してみましたが、この3年間で安定して成績を残せてるのは大谷選手とジャッジしかいません。この二人の立ち位置は他の6人と比べると別次元のものですけど、大谷選手は毎年ホームラン率が11打数程度に収まっているのが本当に素晴らしいです。ジャッジに関しては9.6から10に収まってるので本当に凄いとしか言いようがない。この二人以外は毎年本塁打率にかなりのバラツキがあるので今年の成績が来年以降も続くとは言い難いでしょう。


ローリーもまた然りです。


本塁打率は打数÷本塁打。この数字が低いほどホームランを打ってることになるし、この数字が10を割るというのはメジャーでは過去も未来もトップクラスの選手だけに為せる数字です。大谷選手とて年間で10を割ったことは1度もありません。


ナ・リーグのホームラン王は大谷選手がなるものと思ってたファンが多いでしょうけど、私は今年の8月頃から内心はシュワーバーが獲るだろうなと感じていました。其れを最初に感じたのが8月に投稿した記事。Look forward to maikolasですよ。シュワーバーは本当に良いピッチャーにはからっきしダメなんですけど、ちょっと球速が落ちるだとか、二線級のピッチャーが出てくると死ぬほど打つんですよ。其れが本塁打王になるためにはかなり重要な事なんですけど


大谷には其れがないけれど
シュワーバーには其れがある。


私が懸念したのはこの点でした。だからこそマイコラスが先発登板するセントルイス・カージナル戦には心を躍らせたし、その日には2本くらいホームランを打っておかないと後々の禍根となる。


マイコラス
菅野
今永
ダルビッシュ

この辺の投手は非常に被本塁打率が高いです。球威がなくて割とコントロールが良い投手。このようなピッチャーが先発登板する時は必ずホームラン打つくらいホームラン打者には重要。だからこそlook forward to maikolasだったし、その日がくるのを待ち望んでいた。その日の結果が二塁打ひとつだったから私は大いに嘆いたわけ。恐らくその時点で僕は大谷選手がホームラン王を取り逃がすだろうなと心ひそかに思ってたんですよ。あにはからん哉。アトランタ・ブレーブス戦でシュワーバーはザルみたいなピッチャーから毎打席の如く。甘い変化球を右に左に打ち込んで、1試合4ホーマー勝負ありでした。


これでシュワーバーのホームラン王が決まりました。


思えば菅野投手から2打席連続ホームランを打った試合で、菅野が打者の打球を足に当たって降板したのも痛かったですね。もう1打席勝負があればひと試合3本塁打になってたような気がするし、菅野が降板した時もあわわ。勿体無いと思ったもの。チェイス・フィールドで特大のセンターへの打球をかっ飛ばした時も、同日シュワーバーはシチズンズ・バンクパークでセンターフェンスぎりぎりのホームランを第1打席に打ったんですけど、其れならば大谷さんのセンターへの特大の飛球も認定ホームランにして欲しかった。アソコのセンターバックスクリーンはないわ。124メートルも先にフェンスが7.6メートルもの高さは異常。絶対にホームランが出ないような作りになってるけど140メートルも飛ばさないとホームランにならないようなところに打ち込んで三塁打で終わった大谷選手と120メートルぎりぎりの打球がフェンスを飛び越えてホームランになったシュワーバーとの違い。

 

大谷選手には運もなかったですねえ。
 

 

センターの407ってかいてるとこね。407フィートは407×30.48cmだから124mなんだけど、ここのフェンス高さが7.6mもある。笑うでしょってくらいここに飛んだら絶対ホームランにはならん。何でこんなことするんかなあって思うけど、基本チェイス・フィールドは高地332mのところにあるから気圧は低いし、アリゾナの砂漠地帯は湿度が低いので打球が良く飛ぶ。だからということでこの場所だけ死ぬほどホームランが出ないような作りになってるけど


大谷選手の打球は128mも飛んだのに三塁打でした。

キャロルならランニング・ホームランにしてるけどね。

 

この打球でほぼ大谷選手のホームラン王はなくなったんですけど、今年に関しては大谷選手にはツキがなかった。だからホームラン王は諦めるけど、全般的に今年の彼の打撃内容はよくありませんでした。5月いっとき調子の良い時もあったけど、その後投球練習を始めた頃から様子がおかしくなりました。マウンドに上がっても3回くらいから汗を大量にかいて、肩で息をするというのを何度も何度も見せました。ピッチャーをやるという肉体的な負担は我々には計り知れないものがある。お疲れさまでした。かなり無理をなさったと思うけど、去年投げなかった投球をやりながら6月以降打席に立ち続けたのは本当にしんどかったように思います。そのせいか打撃成績は去年よりもかなり悪かったです。


打者としては2023年が最高でした。
投手としては2022年が最高でした。


もうピークは過ぎてるんでしょうけど、アーロン・ジャッジは32歳になっても、33歳になってもあれだけの活躍をしてる訳ですからまだまだ高い次元で打ち続けることは可能だと思います。王貞治は33歳から37歳までの5年間がピークでした。打撃というのはパワーだけでなく、技術と合わせて進んでいくものですから、パワーが年々僅かに劣化していっても、技術が年々進歩していけば


王貞治のような境地に辿り着くこともあるでしょう。


王は本当に偉大なバッターでした。

 

大谷選手の打撃に関してもっと突っ込んで言えば、今年は今までよりもかなり悪かったです。2023年、2024年と2年連続して打率3割を超えたけど今年は精々.279程度。何故こんなに落ち込んだかというと、さっき指摘した投球を始めたからなんでしょうけど、技術的な事を言えば


高めの真っすぐは全然打てなかった。
変則左投手の外スラには無様な姿をさらけ出した。


マット・ボイド
デービッド・ピーターソン
クリストファー・サンチェス
ヘスス・ルサルド
ランヘル・スアレス
そして

ニコラス・ロドロ


左ピッチャーは全然打てなかった。外スラ打てなかった。


高めの真っすぐが打てれば打率も3割を超えたと思うけど今年は全然打てませんでした。其れが故無様な三振が目立つ年でしたけど来年以降はその辺も対策・対応してくるんではないかと期待しています。メジャー・リーガーに共通して言えるのは各打者アッパースイングだから高めの真っすぐにはボールの下にバットが入り空振りします。其れを利用して抑えてきたのが今永投手だと思うけど今永さん。来年以降は危ないです。


球速が145から148kmの真っすぐでは高めに投げるつもりの真っすぐがちょっとでも低くなると


ホームランされますね。


投手を評価する指標は
(1)奪三振率⇒高いほどいい
(2)与四球率⇒低いほどいい
(3)被本塁打率⇒低いほどいい


この3つと書きました。其れは事実です。
 

菅野投手は何かと称賛されておりますが、内容はボロボロ。被打率は0.276。ホームラン配球王になったけど、これだけホームラン打たれると評価はかなり低くなります。良いのは与四球率だけですし、奪三振少ないし被本塁打率は異常に高い。被本塁打率は大谷とか山本レベルでは10イニングに1本程度だから彼等よりも2倍は打たれてる計算です。投手の指標で奪三振、与四球、被本塁打の3つが最重要だと言ったのにはちゃんと理由があるんです。被打率も昔は重要な指標だったけど、今では奪三振率が分れば凡その被打率が分かる。MLBのBABIPは3割程度だけど先発ピッチャーが毎回6イニング。18アウトを獲るとして


奪三振が7あると残りは15.8打数4.8安打となる。
この場合の被打率は22.8打数4.8安打だから被打率は0.210


奪三振が3しかないと残りは21.5数6.5安打となる
この場合の被打率は24.5打数6.5安打だから被打率は0.265⇒菅野クラス


昔は被打率が大事と思ってたけど、奪三振率が分ればおおよその被打率が分かるので奪三振の方が重要な訳。だから菅野投手の奪三振率は悪すぎるし、被本塁打率は高すぎるのでメジャーの投手としては通用しないレベル。今年ボルチモアで10勝したけれど1年契約なので来年以降の契約はないかも知れない。メジャーに行って1年間ローテーション守って10勝したけれど評価に値せず、来年契約してくれる球団が現れるか否かは微妙。もしかしたら彼のメジャー挑戦は今年で終わりかも知れない。


そして今永投手。


去年は大ブレイクした1年でしたが、日本人投手が向こうに行って活躍するのは最初の1年だけってことが多い。それは何故かというと2年目にはデータ分析されて、研究されて打ち込まれてしまうから。今永投手の今年の成績は被打率以外はほぼ全てが去年より悪化してるので来年以降はかなり危ないと見ています。特に被本塁打率が悪すぎ。


被本塁打率1/6.42⇒1/4.67(悪化)
与四球率1/6.19⇒1/5.56(悪化)
奪三振率9.03⇒7.28(悪化)


この3つの数字が全て悪化してるので来年以降はもっと悪くなる可能性が高いです。

回転数の多い真っすぐは球が軽い
回転数の少ない真っすぐは球が重い


今永投手は回転数の多い真っすぐを高めに投じることで打者を空振りさせてきたけれど、回転数の多い真っすぐはホームランを打たれやすいというのも事実。三振は獲れるけど当たればホームランという諸刃の剣というのは昔からよく言われてきました。彼は意図的に其れを狙ってやってるらしいけど、其れが相手に研究されて攻略されつつある。現時点では割と被打率が低いので抑えてるイメージはあるけど来年以降は徐々に被打率も上がっていくと思います。かなりヤバいですね。日本人投手がメジャーに行って1年目も2年目も通用したのは私が知る限りでは大谷さんと山本さんだけ。この二人は被本塁打率と奪三振率が好成績で維持できてるので来年以降も多分通用すると思うし、この二人は現時点でのMLBで最高クラスの投手だと思う。


山本、大谷、佐々木投手は多分このまま光り輝くと思う。


だけど今永、菅野は今後メジャーでは通用しなくなる。


そういうことが見えてきた1年でした。

 

メジャーで毎年活躍するのは至難の業です。オズナ、オルソンの数字を見ても毎年良い成績を残せないし、殆どの打者が毎年安定して高いレベルを維持できるわけじゃない。其れができてるジャッジと大谷は凄い選手だと思うし、この二人は打者としてとび抜けた逸材と思う。山本投手の今年の活躍はとんでもないレベルでした。流石に日本の投手部門を独占してきた選手だけのことはあると思うし、日本で超一流ならメジャーでも超一流。特に今年はコーナーの四隅をストライク取って貰えなかった。万が一球審がまともなジャッジをしてくれたらジャイアンツ戦とダイヤモンドバックス戦の満塁ホームランはなかったでしょうね。満塁ホームラン2本で自責点8だけど其れがなかったら


彼の防御率は2.49⇒2.07まで良化していた。


ポール・スキーンズに匹敵するような成績だったと思うので、マジで今年の彼はサイヤング賞に値する。


山本、大谷、佐々木の3投手はこれまでの日本人投手とは違う。日本人投手が良かったのは渡米して最初の1年だけってのがこれまでの常識。野茂も最初の1、2年良かっただけで後はボロボロに打ち込まれる年が結構あった。通算の防御率は4を大きく超えちゃってるし決して抑えたとは言い難い。だけどこの3人はこれまでの常識を打ち破るような成績を残すだろう。

 

大谷投手は投手としてももう5年くらいは投げています。


にもかかわらず相手バッターを牛耳る姿はいまだ健在で彼のポテンシャルはまだまだ伸びそう。来年以降の活躍に期待します。今年は投手を復活したということで打率が0.310⇒0.279まで低下したと思っておきます。来年の活躍がどんなものになるのか想像できませんが下降線に入ったと判断するのはまだ早い。まだまだこれからよ。

コメント

  1. 大谷好きより:

    お疲れ様でした。選手も我々も。
    継続して成績出す選手はすごいですよね。
    実力を余すことなく発揮している感じ。
    安定感。
    ホームラン王は残念でしたが大谷さん去年のPSはパドレス戦以外怪我の影響かダメでしたので今年は全てをかっさらう活躍してくれるといいですね。
    今永選手についてはまだまだ頑張って欲しいです。面白くてアメリカにもフィットしてると思うので。
    それにしてもこれからPS、WBCと我々を飽きさせないでいてくれる選手たちに大感謝です。チケット取りも参戦します。
    大谷も来年からは2刀流も完全復活。
    とりあえず規定到達、サイヤングなんてとってしまった日にはそして伝説へ。
    ですね。もう人間じゃない笑

    2025年9月29日 PM 3:30
  2. ゴーニィ より:

    お疲れさまでした。

    3月20日から始まった夢のような時間。162試合が終わりました。パチンコよりも大事なLADの試合観戦。恐らくは162試合全部録画してたので、162試合全部観たと思う。完全燃焼の55本塁打。最後の一発が気持ちイイ。

    メジャー150年の歴史の中で、年間55本塁打で終わったのは大谷さんが初めてだったらしいです。日本では3人もいるのにね。

    WBCのチケット取りに行くの?凄いね。

    中川のチケットを下さい。私に。

    ええっと大谷投手の起用についてはフルでは使わないと思いますよ。20代と同じようなリアル二刀流は無理だと感じました。暑い時期を避けて4,5,6月メインで7,8月休んで9月からとか。今年みたいに7月以降だけ二刀流にするとか。4月から9月までのフル二刀流は無理だと思いますね。この辺はLADの首脳陣がどう考えてるかに依るけれど年間規定投球回数とか、サイヤング賞とか

    狙わない方がいいよ。

    2025年9月29日 PM 7:53

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