有利な選択

先週の木曜日、いつものように仕事帰りに上小田井に向かう道中。待ち時間の長い信号が青から赤に変わるって思った瞬間、信号待ちで停車している車の後ろに大急ぎで突破しようと試みました。この信号は引っかかると2分くらいは待たねばならんのでという危機感が働いたのでとっさに横断歩道ではなくて、停車した車の後方から走って道を渡ろうとしたのでした。まあ、普段からこのような行動もないわけではないのですが厳密に言えば信号無視に当るので褒められた行為ではありません。勢い良く走ったとき、何かに躓いたのか体が前のめりになり気が付いたら転んでいました。自分ではコケた意識はなかったのに、体は道路に臥せっているので「嗚呼、私はコケたのか」って思ったのですが、慌てて立ち上がり振り向くとスマホとボールペンが道に散乱してました。この2つを拾いに戻って何とか道路を渡ったのですが、ここで両ヒザと手に激痛が走りヒザからは出血しているのが分かりました。後方からは次の車が迫っていたので、万が一信号待ちしていた車がなかったら私はその車に轢かれていた可能性もあったのねって思うとぞっとしました。普通に走ってるだけで「転ぶ」というのは今まで経験したことがなかった。ていうか多分、スキーとかスケート以外で転んだことは1度もないので人生で初めての経験でした。

 

自分の感覚としては20代、30代の頃からあまり変わっていないと思ってるし、脳ではまだまだイケルと思ってるのですが頭で考えることと行動が一致しないようでして、人間としての衰えは深刻そのものです。コケたことに暫らく気が付かなかったけれど、ヒザに激痛が走ったことでようやく転んだことを受け入れるに至った事実は哀れです。もし信号待ちの車がなくて道路を横断する状況なら後続車両に轢かれていた?そんな死に方もあるのねって思うとこの先いつ死んでもおかしくないような気分ですね。

 


去年の4月に届いた年金機構からの書類を見ていました。毎年この時期になると国の年金事務所から書類が送られてくるのですが、それによると自分は60歳になったとしても、国民年金を払い込む満期には至らず。普通の人は60歳で国民年金を払い込む満期となるので、それ以降年金を払うことはなくなるけれど、私は学生時代の3年間は国民年金を払っていないので60歳時点では440ヶ月かそこらになります。それで480ヶ月まで国民年金を払い続けた方が得なのか損なのかを考えているところです。

 


国民年金は20歳から60歳までの40年間。480ヶ月払い込めば満期。
満期になると65歳からは毎年78万円の年金を貰えます。

 

私の場合は60歳時点では440ヶ月くらいなので78万円には届かず71万円くらいです。あと7万円の手取りを増やすために、残りの40ヶ月間国民年金を払うには17000円×40=凡そ68万円くらいのお金が必要です。65歳から受け取り始めて75まで生きると70万円実入りが増える。80まで生きると105万円実入りが増えますが、早死にするとそれほどお得にはならないどころか、マイナスになる可能性もある。75歳まで生きてようやく損益分岐点ギリギリ。それより早く死ねば損。それよりも長生きすれば得ということですが、僅か7万円程度の実入り増ならば、このまま60歳で払い込みを打ち切った方が得じゃないかね?っていう疑問が沸いてきて悩むわけです。

 

ここで重要なことは

国民年金の受給額は満額でも
年間78万円しかないって事です。

 


これは日本人なら全ての人に共通であり、パチプロさんはいくらせっせと国民年金を払い続けたとしても、老後にたった78万円しかもらえぬ運命です。これに対してサラリーマンはどうかというとそんなバカな話ではありません。ご存知のように日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2本立てになっており、自営業やパチプロさんよりもサラリーマンの方が圧倒的に有利な制度です。分かっちゃいるとは思いますが、我々サラリーマンは会社勤めをしている間は厚生年金しか払ってませんが、受け取るときは厚生年金と国民年金の両方を受け取ります。

 


自営業、パチプロ⇒国民年金40年払い続けて受け取りは年間78万円がMAX。
大卒会社員⇒国民年金3年と厚生年金37年を払い続けて、両方を受け取れる。

 

年収にもよりますが大抵の人は、受け取る金額は国民年金よりも厚生年金の方が多くなります。従って会社勤めをしていた方は、自営業やパチプロさんよりも2倍以上の年金を貰える可能性が高いのです。23歳から60歳までの平均年収が500万円くらいあれば、厚生年金は年間で100万円以上受け取れます。つまり国民年金と厚生年金と両方で180万円くらい貰えるのです。20歳代は給与所得が少ない事もあるので平均で500万円というのはちょっとハードルが高いかも知れませんが、これがたとえ平均年収400万円であっても厚生年金の方が国民年金を上回るのでサラリーマンはかなり優遇されています。しかも恩恵はこれだけにとどまりません。会社勤めをしている旦那さんの奥方は専業主婦であっても旦那さんの6割くらいは年金が貰えるのです。毎年送られてくる年金機構からの書類を見ると良く分かるんですが、専業主婦である私の嫁も結構な金額を貰えます。それが大体6割くらいですね。荒っぽい表現ですがこれが6割だと仮定すると

 

<23歳から60歳までの平均年収が500万円の場合>
旦那の年金が年間180万円くらいで、嫁の年金が年間108万円⇒288万円貰える。
<自営業かパチプロ>
国民年金だけなので満額でも⇒78万円

 

<65歳から貰い始めて夫婦揃って75歳まで生きると>
会社員は288万円×10年⇒2880万円貰える


万が一パチプロ稼業をやったが為に独身で終わろうものなら、サラリーマンは65歳から75歳までの10年間で2880万円ものお金をもらえるのに対して、パチプロさんはたった780万円しか貰えない。つまり65歳から75歳までの10年で2100万円ものお金をロスするわけであります。もっともパチプロ稼業でも結婚する人はいるし、嫁を扶養家族として国民年金を払い続けていればそこまでの差はつきませぬが、パチプロが自分の配偶者を扶養家族として専業主婦にあてがうのは相当しんどいでしょうね。国民年金を支払うのがしんどいから何も金払ってないっていうパチプロを数多く見てきました。そんな過酷な稼業をやりながら専業主婦を養って尚且つ国民年金を払い続けることができるのは、数少ない凄腕のプロであり一握りの世界でしょう。普通のレベルではそこまでやれないような気がしますね。

 

だとしたら65歳から75歳までの10年間で2100万円の差がついてしまいます。
もし85歳まで生きたら20年間で4200万円の差がついてしまいます。


良く考えた方が良いと思いますね。4200万円の差はあまりにもデカイ。デカ過ぎる。

 


ひとえに日本の年金制度がサラリーマンに優遇されているためにこのような差がついてしまうのですが、この国で生きるためにはどっかこっかの会社に収まって厚生年金を払い続けることが重要。勿論給与所得が多ければ多いほど、貰える年金額も大きくなる(上限65万円)ので、目一杯仕事して厚生年金を沢山支払った方が老後が楽になるのですが、問題はこのような仕組みを知らずにパチプロになってしまうこと。ハタチやそこらの若い頃は65歳以降のことなど遠い先のお話だから、どっちが得かなんて考えずにただ楽な方を選ぶ生き方をしてしまうのかも知れない。でも生きている限り、いつの日か65歳に到達する日がやって来る。それは皆平等だ。

 


人間がいつ死ぬかなんて誰にも分からぬことなので、60歳で死ぬことを前提としたパチプロ稼業ではいかにも苦しい。60歳や65歳で死ぬことが分かっているのならばパチプロという手段を選び、国民年金や国民健康保険を支払わない人生も是とするのかも知れないけれど。万が一80、90まで生きてしまったら、あんたどうするのさ?

 


先のことを考えながら人生を生きねばなりません。私は定年が目前に迫っているので年金生活のことが気になり、年金の仕組みについても今更ながら知識を蓄えようと勉強しております。今の20歳代の人達はそんなこと考えもしないようですがこれは本当に恐ろしいことです。年金制度が破綻するかどうかは分かりません。破綻するからどうでも良いと思ってると破綻しなかったときは後の祭り。取り返しがつきません。不確定なことを考えるよりも、今はただ年金で将来目一杯差がつく事態も有り得るってことを考えた方が良いと思う。このサイトはパチンコのためだけにあるのではありません。若い人に対する警告という意味もあるのです。人生には必ず分岐点というものがあり、そこでは有利な生き方、有利な選択をすべきです。何が有利な選択なのかはとても重要です。

 


パチプロになりますか?

それとも会社員として厚生年金を払うことにしますか?

どちらが有利な選択なのか

良くお考えあそばせ。
 

コメント

  1. ピカ吾郎より:

    思った以上に差がつくんですね😳
    いい年こいて全く知りませんでした。というより強制的に取られるもの という認識だったので10年で2000万近く変わるとは…と驚きを隠せません。

    下手な年金機構の書類よりもゴーニィさんの説明の方が分かりやすい!

    年金は破綻する破綻すると私が20代の頃から言われていましたが、結局のところ日本が日本である限り大丈夫なのでは無いかなと思っています。

    銀行のペイオフ問題もそうですがタンス預金に切り替えた結果 盗まれた・火事にあったなどの話を聞くとなんだかなぁと…。

    選択、大事ですね🧐

    2022年3月30日 PM 5:01
  2. ゴーニィ より:

    ピカ吾郎様

    つくづくサラリーマンをやってきて良かったと思うんですが、この国は本当にサラリーマンは社会主義。自営業は資本主義なんですね。

    自営業をやる人は夢もでっかく、大きな事業と莫大な利益を手にすることもある。会社員は部長職でも課長職でもそんなに差が付かないような夢のない世界。それを補うために会社員として37年間務めた人には国民年金と厚生年金の両方を貰えるような仕組みにしています。

    驚くべきことに会社員のメリットはこれだけにとどまらず。国民健康保険の半額は会社が負担しているので、これだけでも一生で1000万の差が付きます。パチプロとして国民年金とか国民健康保険を払い続けることは大変な苦痛のハズ。それを何の苦労も感じずに一生を終えるサラリーマンの世界は本当に天国ですね。


    それを考えずにパチプロ、パチンコライターなどという道を選んだ人は先見の明なし。頭の悪い生き方をしないで欲しいからこのような記事をUPしました。

    これからもどうぞよろしくです。


    3/27の実践は明日書きます。

    2022年3月30日 PM 8:29

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