追い風強風

準決勝進出が決まって喜んでおられる方が多いと思うし、ニッポン列島WBCで大いに盛り上がるこの頃ですがこのような世論に水を差すかも投稿をしようと思ってたんですがこの2日間で様子が様変わりしました。日本はこの先危ないと思ってみてたのは事実。ていうかみんなメジャーの力を舐めすぎ。今回のWBCは今までの大会とは違ってどの国もメジャーで大活躍してる人達が真剣に取り組んでるので今までになく強豪チーム同士の激突になりました。


(1)米国
(2)ドミニカ
(3)ベネズエラ
(4)プエルトリコ
(5)カナダ
(6)メキシコ
(7)キューバ
(8)オランダ
(9)イタリア

 

特にイタリア。準々決勝で戦った相手ですが、イタリアと戦って日本がこの先危ないと知ったのはまずは二遊間の守備陣形。1回の裏にヌートバーがレフト前にヒットを飛ばし、続く近藤はストレートのフォアボール。いきなりの大チャンス到来にどよめく観衆ってとこですが、まじでここで一発出れば試合が決まるかもって思った大谷の2球目。完ぺきにとらえた二遊間を襲った痛烈なライナーがセカンドベースの右に守っていたショートの守備範囲ってことでショートライナーに倒れました。これですよね。日本がこの先苦しむのは。


今までの5試合を観ていると日本は1番から5番まで全員が左バッターでこのうち1番と3番と5番打者は真っ芯で捉えた打球がセカンドの右側辺りに飛んで行くことが多かったです。


1番、3番、5番はセカンドベースから2塁手までの空間に痛烈な打球を飛ばしました。

 

中国、チェコ戦まではこれらの打球が全部ヒットになってましたがこれからはこれが全部アウトになる可能性があります。2番の近藤はもっと引っ張った打球が多いし、4番の村上はもっと左方向の打球が多いし、ライナー性の打球が二遊間に飛んでいないからあんまり関係ないけれど、こと1、3、5番に関しては二遊間への打球がすごく多かったです。野球経験のない方はそんなものシフトの逆に飛ばせばええんやって思うかも知れないけれど打者の立場からするとこれは無理なんです。


自分も経験あるんですけど、バッターってのはスイングの軌道によって捉えた打球が飛ぶ位置ってのがある程度決まってておんなじところに飛んでいく。これを直そうと思っててもまず無理でそんな窮屈な打撃をしたらヘボヘボのゴロが飛んでくだけ。ソフトボールで自分が芯で捉えた打球はセカンドの後方に飛んでくんですね。それを見たライトを守ってるやつがセカンドの後方に守備位置を変えやがって。私が捉えた打球が悉くアウトになって悔しい思いをしたことがあるんですけど、この時もショートに打とうと思っても打てんかった。左バッターがショートに強い打球のゴロはなかなか打てません。

 


ということで向こうに行ったら日本の得点能力はガタ落ち。今年からMLBの規定では極端な守備陣形は引けないことになりましたが、今回のWBCではそんな規則はありませんし、メジャーでは極端な守備陣形が当たり前になってるのでこの先日本はあぶないです。1番から5番までの内3人が相手の守備陣形に引っかかる。これは深刻な問題でしょう。そんな折、勝機を見出したのはやはり大谷。彼は2021年にも2022年にもこういうことはやっています。ノーアウト1塁かワンアウト1塁で打席に立ったらサード方向にバントする。決まればほぼ確実にヒットにはなるでしょう。三遊間が広く空いた状況ではショートゴロを狙いに行くよりも強いプッシュバントでショート方向に転がすか、またはサードの守備位置次第ではサード方向に転がせば大丈夫。結果大谷のプッシュバントは無理やり取りに行った投手の悪送球によりワンアウト1、3塁で吉田の内野ゴロの間に先制点が入り、その後も攻撃は継続して岡本の3ランを呼び込みました。大谷のバントから試合が動き始め1点、フォアボール、3ランと日本はたたみかけました。


この日のMVPは大谷のバントです。

 

フロリダに行っても大谷、近藤、吉田辺りはバント多用を試みて欲しいですね。そこはプライドを捨てて日本が勝つために。今までのようにただ打つだけでは向こうにったらほぼ点が取れないので、何かしらの守備陣形対策を講じて欲しいものです。

 

イタリアの攻撃陣を見てまず驚いたのは大谷の同僚フレッチャーが9番にいた事。

 

これはかなり驚きましたねえ。フレッチャーはエンゼルスでは1番を任されることが多くフレッチャーがつないで大谷というのも何度もありましたし、彼自身はキャリアで.278も打っている好打者。その彼が9番にいることはそれ以上の打者が8人???てなことになる訳でびっくり仰天でしたわ。1番から6番までを左で並べてきたので序盤は完璧に封じ込めていた大谷でしたが4回から疲れが出始めて没。最初から飛ばしに飛ばしてたので50球くらい投げた時点で既に終わってました。4回の表に左バッターにカウント取るスライダーが悉く抜けてボールになってたので私が監督ならば4回で降板させます。去年もそうでしたが大体大谷が捕まるときはスライダー抜け始めます。握力がなくなるとボールを制御できなくてスライダーが抜ける。去年の7月を思い出したけどアトランタ・ブレーブスを6回まで完璧に抑え込んでいたのに、スライダーが抜けた7回に突如として捕まってフォアボール、デッドボールで走者を溜めてドカン。一気に6点取られたシーンを思い出しましたけどそれくらい危なかったですね。栗山監督とか石井コーチが普段から大谷のピッチング見ていないのか分からんけど、私なら代えるね4回で。


にしてもイタリアの1番から3番まではしつこくてバットコントロールが良くて草


非常にいい打者が並んでます。

 

5回の裏に大谷四球、吉田死球の後に村上がセンター超えシングルランダブルを打ってくれたし、そのあとの岡本の2ランダブルが出たところで試合は決まったんですけど、この回の攻撃がなければ危うかったですね。その後もイタリア打線はダルビッシュからホームランを打ったし、最後の大勢の投球に対してもノーアウトで左バッターが2連続ヒット。大勢も良い球投げてましたけど、問題は左バッターでしょうかね。追い込むまでは素晴らしい球を放るけど、それからが空振りを取れずに最後は相手に食らいつかれてしぶとく落とされる。イタリアの左バッターが打った打球が悉くヒットゾーンに落ちるので見ていて冷や冷やしたけれど、彼等は強振しないけどなんか日本の打者に似てるようなしぶとさがありましたね。


強引にいかず。


粘り強くバットに当ててヒットゾーンに打球を運ぶ


なかなか容易にはアウトを取れない打者が多くて大苦戦でしたね。

 

この日はたまたまランナーが溜まったところで岡本の3ランが飛び出し、四球・死球の後に村上、岡本のロングヒットが出たので見た目には快勝に思った人が多いけど実際にはそれほど力の差は開いてはいなかった。怖いゲームでした。イタリアと戦ってみてやはりMLBでプレーしている人たちのパフォーマンスは侮れないし、特に相手の守備陣形が日本の左バッターには怖い存在になりそうなので、アメリカ本土に渡ってからの2連戦は非常に厳しい戦いになるものと思われます。

 


ここでプエルトリコVSメキシコの勝者が日本の相手となるのですが…

 

プエルトリコが接戦の末敗北しメキシコと21日に対戦。

 

ここでの朗報はこの試合でウリアスが先発したってことですよね。

 

日本にとってはかなり嫌な相手がこのウリアス投手。ドジャースの左のエース。


ロサンゼルス・ドジャース
ウリアス(左)、17勝7敗。防御率2.16、被打率が.199
ゴンソリン(右)、16勝1敗、防御率2.14、被打率.172


ゴンソリン、ウリアスと左右の両エース。共にサイヤング賞取ってもおかしくない投手ですし大谷よりも被打率が低い厄介なピッチャーですが、ウリアスは左投手なので日本の1番から5番が皆左ということを考えると日本戦にこの投手が先発すると日本は負けたかもしれないという巡り合わせでした。メキシコの監督が日本よりもまずは強敵プエルトリコを倒さねばならんと考えたからこの投手をプエルトリコ戦に投げさせたんでしょうけど、結果的に日本は助かりました。とはいうものの今度日本戦に先発するのは


大谷の盟友サンドバル


こいつも左ピッチャーだし厄介な投手ですけどね。


去年ずっとエンゼルスの試合を観て来たけど、このサンドバルという投手は調子が良い時は手が付けられんので日本の打者も苦しめられると思うけど今回の日本の1番から5番までの打者ならばある程度は捉えられそうです。ウリアスについては18日のゲームで60球投げてるので、WBC野ルールでは中4日開けないと登板できませんから21日の日本戦では1球も投げることはできません。彼が投げないだけでも日本にとってはラッキーでしたね。

 

死のグループDを制したのはベネズエラとプエルトリコで1位通過したベネズエラがアメリカに勝つものだと思ってましたが、ここでも奇跡的にアメリカがベネズエラを倒す結果になったので助かりました。どう考えてもベネズエラの方が強いと思ってたんですけどやってみなければ分からんもんです。当日の試合の先発投手のデキは見てないからよく分からんのですがこのチームには


キハダがいる。


この人も大谷のチームメイト。エンゼルスでは左の中継ぎ投手として重用されましたが、クローザーがブレーブスにトレードされてからは抑えとしても任されることも多く真っすぐの球威だけなら申し分ないのですが如何せん荒れ球。ストライクが入らん時のキハダは走者を出して大量失点の可能性もあるだけに冷や冷やものでしたが、この投手の球を日本の左打線が捉えるのは至難の業だと思っておりましただけに、ベネズエラが負けてくれたのは確かりました。球が速くで荒れ球の左投手は苦戦必至。

 


従って21日のメキシコ戦ではウリアスの登板は不可能。

22日の決勝ではキハダと対戦することがなくなった。


勿論22日の前に20日にキューバと対戦せねばならんのですが、アメリカにしろベネズエラにしろキューバに負けるはずがないのでかなりの確率で日本打線とキハダがぶつかると覚悟してましたがアメリカのおかげでこれを回避。日本にとっては追い風が吹きましたね。

 

 

この記事を書き始める前までは


日本はプエルトリコとベネズエラという2強と対戦し2連勝せねばと思ってたから今回優勝するのはキツイなあと思ってたんですけど、メキシコとアメリカが金星を挙げてくれたおかげでかなり有利な試合展開になりそうです。勿論メキシコも全員メジャーリーグで活躍するバリバリの一流どころだし、アメリカも同様なのでこの2チームが弱いなんて思っていないけれど


プエルトリコとかベネズエラよりはましだと思う。

 

この2日間で日本に追い風が吹いたんでね。

 

今回のWBCを見てると上位はどのチームも大リーガー中心の構成にしてるけど、投手力の層の厚みが盤石ではない。アメリカもメキシコ相手に11点取られたし、プエルトリコも初回4点のリードを守り切れなかった。ベネズエラもアメリカ戦では1回の表に1番から5番までに5連打を浴びて3失点。結局キハダの乱調もあって9失点だった。それに比べて日本の投手陣は1イニングでの大量失点はこれまでにないし、ここまでの5試合の防御率も全チームの中で1番飛びぬけている。安定感を支えているのは層の厚さ。大谷とダルビッシュ以外で10枚の切り札を持っている日本の先発・ブルペンは世界イチと思う。

 

キューバは相手にならんくらい戦力が低下しています。


アメリカは打線は充実してますが日本ほど小技は効かない。投手力は結構落ちる。


メキシコは打線の怖さはあまり感じない。何よりもウリアスが出れないのは超マイナス。

 

順当にいけば日本が優勝するんじゃないかな?

 

あまり過度の期待は禁物なれどまずは21日のメキシコ戦。22日はまんずアメリカと戦うことになると思うけど、奇跡的にキューバが勝つようなことがあれば日本は楽勝。キューバに負ける可能性は限りなくゼロに近い。それほどまでにキューバの攻撃陣は見劣りするし、気の毒なほど不細工。21日と22日の試合は相手の極端な右寄りの守備陣形を日本の1番から5番までがバントで攻略できるかどうか?佐々木朗希のお披露目と山本由伸のお披露目がMLBに驚きと羨望をもたらすことを願っております。この両投手は近い将来メジャーで投げて頂きたい。


その為の布石です。


村上、佐々木、山本がメジャーに行く時に有利に運ぶように


大活躍してもらいたいです。
 

 

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